災害対策全国交流集会2016inふくしま(2016年11月4日〜5日、福島県いわき市)報告集
【第1分科会】大規模災害での被災者救援の現状と課題を考える 【第2分科会】東日本大震災被災地の現状と被災者本位の復興を考える 【第3分科会】大規模自然災害に対する防災、減災、法整備のあり方を考える 【第4分科会】福島原発事故の現状と課題を考える 【記念講演】「東京電力福島原発事故発生から5年8カ月 福島からの訴え」 【全体集会報告】被災各県の現状と課題 【集会のまとめと閉会あいさつ】
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【集会のまとめと閉会あいさつ】
昨日の原発事故被災地の視察と本日の分科会、そして全体集会への参加たいへんご苦労さまでした。本集会を閉会するにあたりまして、まとめのごあいさつを申し上げます。 被災3県をはじめ全国各地からのべ188人の方に参加をいただきました。昨日の視察をはじめ集会成功にご尽力をいただきました福島といわきのみなさんに感謝を申し上げます。
まず、はじめに、政府・与党と維新の会は昨日、衆議院のTPP特別委員会での採決を強行しました。そして、週明けにも衆院本会議で可決し参議院に送ろうとしています。被災地の復興や国民生活、地域経済を破壊し、多国籍大企業の利益を最優先するTPPの採決強行に断固抗議するものです。参加者の総意として本集会名で抗議と廃案を要求する文書を政府・与党に突き付けることを提案します。文案は事務局にお任せいただきたいと思います。
さて、今回の全国交流集会は、福島の現状と課題をしっかりつかんでいただこうと企画しました。参加者の皆さんの目と耳と足でつかんでいただきましたでしょうか。東日本大震災、原発事故から5年余の歳月が過ぎましたが、被災者の生活と生業の再建はまだまだ道半ばです。 本日の分科会では、「惨事便乗型復興」を乗り越えて被災者のくらしと生業の再建にむけたとりくみと課題が話し合われました。憲法をいかした被災者本位の復旧・復興は、被災者のみならず、私たち国民の課題であることをあらためて確認したいと思います。
原発事故から5年余が経過したもとで政府は、「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の除染を行って 2017 年3月末までに避難指示を解除し、帰還を促進するとしています。この最大の問題は、放射線量年間 20 ミリシーベルト以下での被ばく生活を強要し、避難指示解除とあわせて自主避難者への住宅援助などの支援を断ち切り、そして、損害賠償を打ち切ろうとしていることです。まさに、ふくしま切り捨て政策です。私たちが目にした現実は、原発事故の異質な被害であり、住みたいのに住めない実態です。 政府は、原発の再稼働と原発の輸出を進めるため、そして2020年のオリンピックにむけて原発事故の「収束」を演出するために、福島の現実や避難者を無視して強引な帰還政策を押しつけています。原発事故の加害者である東京電力と政府の責任放棄は断じて許されません。 政府による福島切り捨てを許さず、原発政策を転換させるため、「止めよう!原発再稼働 かえよう!福島切り捨て政治 国と東京出力が責任を果たすことを求める請願署名」を全国で旺盛にとりくみ、国民の大きな世論で政府と東京電力を包囲しようではありませんか。
いま日本は、熊本や鳥取での大地震発生にみられるように地震の活動期にあります。また、集中豪雨による土砂災害や堤防決壊、洪水など、大規模な自然災害は全国どこでも起こり得る状況にあります。分科会では、この点について、災害救助法にもとづく避難所や被災者救援のあり方についても議論しました。そして、災害に対する法制度のあり方についても議論しました。各県・地域での防災の点検、検証活動などに生かしていくこととあわせて、防災専門省庁の設置を求める運動も提起したいと思います。
同時に、住宅再建にかかわっては、何としても生活再建支援金の500万円への引き上げが重要不可欠です。継続審議となっている野党共同の生活再建支援法改正法案を成立させるためにも、職場と地域から「被災者の住宅再建支援制度の抜本的拡充を求める請願署名」を軸に、市民と野党の共同をひろげ、500万円への引き上げと一部損壊への支援策を実現するためにご一緒に奮闘しようではありませんか。
こうした運動を全国的に展開するためにも、全国に災対連組織を確立することが必要であり、そのための努力を呼びかけるものです。福島の原発事故や東日本大震災被災者の一日も早い生活と生業の再建、そして、地震や豪雨などすべての被災者の復旧・復興を実現するため、被災者に寄り添って引き続き全国でお互いにがんばることを確認して、本集会のまとめと閉会のごあいさつといたします。
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分科会・全体集会・記念講演の詳細は、以下の「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会」(略称・全国災対連)ウェブサイトからご参照ください。http://www.zenkoku-saitairen.jp/
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