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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2017年01月20日23時49分掲載
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文化
「イラストレーター、ルル・ピカソ (Loulou Picasso) との出会い」 日比野克彦 ( 現代美術家、東京芸術大学教授)氏に聞く Katsuhiko HIBINO " My memory of joint exhibition with Loulou Picasso in Tokyo and Paris "
パリの鬼才として知られるイラストレーターのルル・ピカソ(Loulou Picasso) 氏に日刊ベリタで2か月前にインタビューを行いました。ルル・ピカソ氏は1970年代半ばにパリの芸術大学に入学後、すぐにイラストレーターとして世に出ることになります。それまでの画学生とは違って、画廊での発表ではなく、新聞や雑誌といったマスメディアを自らのカンバスとして確信犯的にメディアをハイジャックしたと言っています。ルル・ピカソ氏の特色はモノクロームの色彩を自在に使いこなすことにありました。この2か月前のインタビューで後にルル・ピカソ氏が東京で日本の個性的な芸術家である日比野克彦氏と1991年に共同で展覧会を開いたことがわかりました。二人はそれぞれシベリア鉄道を経由して、日比野氏はパリで、ルル・ピカソ氏は東京で互いに広大なロシアを経て交錯する形で共同展示会の同時開催を行ったそうです。あたかも95年に販売されたマイクロソフト社のウインドウズ95以後のインターネット時代、双方向性の時代を先取りするかのような企画です。日比野克彦氏に個展の経緯などを今回独自にインタビューしました。
Katsuhiko Hibino ,popular artist and professor of Tokyo University of the Arts , held a joint exhibition with Loulou Picasso ,popular illustrator in France in 1991. It was produced by Agnes b and held in the galleries in Paris and Tokyo simultaneously. Hibino took the Trans‐Siberian Railroad train from Vladivostok, Loulou from Moscow so this joint exhibition was named " Russia Moscow - Vladivostok". On train both artists created some works as improvisation,too. It was just before the collapse of the Soviet union ,and after the fall of Berlin wall. From today's point of view, this joint exhibition was 4years ahead of the diffusion of Windows 95, which opened an internet mutual communication world wide.I interviewed Mr.Hibino on the joint exhibition and on Loulou Picasso.
(以下は日比野氏にインタビュー)
Q ルル・ピカソさんとはどこでどのようにして出会ったのでしょうか?
Q How and where did you meet with Loulou Picasso ?
日比野 パリのアニエスベーのギャラリーで個展をした際に紹介されました。
(Hibino) I was introduced to him when I held a personal exposition in the gallery of agnes b in Paris.
Q 当時、ルル・ピカソさんの作品を日比野さんはどう受け止めていましたか。ルル・ピカソさんの作品とか、あるいは彼が所属していたバズーカというメディアで奔放に活躍していた若手のアーチストをどう評価されますか?
Q At that time, what did you think about his art works? How did you evaluate the artists group named Bazooka which had been very active in mass media in France in the mid 1970s ?
日比野 ルルの作品は好きでした。 モノクロとカラーを組み合わせて、 人物画をえがく筆のタッチなどが 私の好みと似ていました。 パリのデザインとアートの関係が当時の東京と 似ているところがあるなと感じていました。
I liked Loulou's illustrations . He combined monochrome and color . His touch was similar to my taste when he painted figure paintings. I felt the relation between design and art in Paris was similar to that of Tokyo those days.
Q その頃、日比野さんご自身にとって芸術上の課題はどんなことだったんでしょうか? ルル・ピカソさんに触発されるものがあったとしたら、どんなことでしょうか?
Q At that time, what was your challenge as an artist ? Did you get something inspired from Loulou ?
日比野 パリでは、個展を行うとコレクターが作品を購入し自分の部屋に飾るという環境があるが日本にはそれがなかった。パトロネージュという作家を育てる大衆の文化がなかったのが課題でした。
In Paris , when artist held an exhibition ,collectors bought his works and put them in his room. It was the tradition in Paris.But in Japan, we had no such tradition. So I thought we needed to create a mass culture which protects and encourages artists as patron.
ルルの作家としての一途な姿勢は持って生まれたものなので、その生き方にはいいなあと思っています。ルルの家を訪ねて行ったことがありました。
Loulou's sincere attitude toward art is his nature , so I admired his way of life. Once I visited his house.
Q 一般的な質問として、今、日比野さんご自身はどのような芸術上の課題をもっているのでしょうか? また、今日の世界で芸術はどんな価値を持っているのでしょうか?
Q Now this is a question in general, what is your challenge as an artist now ? Today what value ,do you think,has the art ?
日比野 日常の中に芸術が機能することを企てています。 アートが個々の差異に価値があるという特性がこれからの社会に必要な価値観になっていくと考えています。
I try to create my art works which have functions in our ordinary life. Art shows us a concept which says difference creates value. So this thougt will be needed more and more in our society in the future.
日比野克彦 Katsuhiko HIBINO artist / professor of Tokyo University of the Arts 現代美術家/東京芸術大学教授
http://www.hibino.cc/
■イラストレーター・画家 ルル・ピカソ氏のインタビュー パリのグラフィックデザイナー集団 「バズーカ」 とその後 Interview : Loulou Picasso ( dessinateur )
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201611221659552
■フランスらしい洗練されたイラストを描くフランソワ・ラヴァールにインタビュー Interview : Francois Ravard
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201701040039263
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ルル・ピカソ氏のイラスト。郷里ルーアンの友人が立ち上げた音楽レーベルSordide Sentimentalのレコードジャケット用
ルル・ピカソ氏(Loulou Picasso)Photo:Véronique Chauvin マドリッドに旅した時の一枚。現在、ルル・ピカソ氏はフランス北西部のブルターニュ地方の家で暮らしており、パリには必要に応じて出てくるのだという
Bazooka(1974-1978) はリベラシオン紙でイラストを描くようになった。ルル・ピカソ氏の作風は白と黒の間に様々な諧調を持つ豊かな「灰色の世界」と言われる。Fortifiant : en pharmacie, médicament qui fortifie, donne des forces, de la vigueur physique.
1978年にBazookaを解散したのち、ルル・ピカソ氏は絵画も描き始め、agnès bのギャラリーで個展を開くようになった。
アニエスベー(東京).アニエスべーのプロデュースで日比野克彦氏とルル・ピカソ氏との共同展示会が開催された。1991年、ルル氏はシベリア鉄道でパリから東京へ、日比野氏は東京からパリへ同じシベリア鉄道を使って旅をした。その旅路でそれぞれが作品を作ったという。そこでカタログには「ロシア モスクワ−ウラジオストック」 "POCCИЯ MOCKBA- BЛAДИBOCTOK ( Moscow - Vladivostok)"と記されている。アニエスベーのパリと東京のギャラリーで同時に開催された。それはまさにベルリンの壁が崩壊し、未だソ連は崩壊寸前という歴史の転換点のことだった。
今年来日した時にルル・ピカソ氏が渋谷のホテルの窓から見た風景 le paysage de Shibuya est une vue de ma chambre d'hotel (The Cerulean Tower Tokyu Hotel)
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