50歳以上の女優にもっと出演の機会を!とパリの俳優たちが自ら立ち上がった社会運動「50歳の女優のトンネル」について以前、リーダーである映画女優、マリーナ・トメ(Marina Tome)さんのインタビューを掲載しました。50歳から65歳までの女優が仕事を干され、あるいは仕事にありついたとしても簡単な型にはまった仕事が中心、ということを是正するために女優たちが自ら立ち上がったのです。その時、トメさんは家族・児童・女性の権利担当大臣に活動を知ってもらうことで、この問題をより多くの人に知ってもらい、是正するための動きを加速したいと言っていました。
フランスの俳優組合AAFAの有志で構成する「50歳の女優のトンネル」委員会は3月9日、パリでローランス・ロシニョル家族・児童・女性の権利担当大臣(Laurence Rossignol Ministre de la Famille, de l’Enfance et des Droits des femmes)が主催する男女差別をなくすためのアイデアのプレゼン大会に参加しました。これは 家族・児童・女性の権利を推進するフランス政府の省庁が” Sexisme, pas notre genre ”(性差別は私たちの流儀ではない)というメッセージを掲げたキャンペーンです。3月9日、この趣旨で活動しているフランスの様々な人々や組織が自分たちの活動やアイデアをみんなの前で紹介したのでした。寄せられたのは400以上のアイデアで、3月9日に最後のプレゼン大会が行われたということのようです。
この時、「50歳の女優のトンネル」委員会の発起人でリーダーであるマリーナ・トメさん自ら大臣の前で活動について説明をしました。これまでの取り組みや力強いスピーチの結果、「50歳の女優のトンネル」委員会はインターネット投票部門で最高賞を得たのでした。
この” Sexisme, pas notre genre ”キャンペーンの主催者であるローランス・ロシニョル家族・児童・女性の権利担当大臣も1957年生まれですから、もし女優であったらまさにこの「50歳のトンネル」に該当する年齢です。映画や舞台で50歳から65歳の女性の生き生きとした活動ぶりが見えなかったとしたら、現実の世界でも女性が発展していくイメージが不足することになる、とマリーナ・トメさんたちは常々訴えてきました。
発足してまだ間もないAAFAの有志で構成する「50歳の女優のトンネル」委員会ですが、「見えなくされてきた」女性たちの行動力には目を見張るものがあります。この活動の発起人である女優のマリーナ・トメさん自身は今、ロードショー中の映画に主演している女優です。トメさんのように「50歳のトンネル」の渦中の年齢でありながら同時に活発に映画や舞台で活躍している女優たちもこの運動に積極的に参加している、ということをここで書いておきたいと思います。単に女優の雇用の問題というだけではないのです。女優の社会における役割の意義を説き、それが現実社会に与える影響を視野に入れた社会運動である、ということなのです。
Marina Tome ”la bras droit du ministere a ete epate qu'on parle de nous au japon!!! ele me l'a dit hier!!! merci!”
マリーナ・トメ 「大臣の側近の女性が、日本で私たちの活動が報じられていると聞いて驚いていたんですよ。彼女がそう話してくれました。ありがとう!」
※l’AAFA-Tunnel de la comedienne de 50 ans
https://www.facebook.com/AAFA-Actrices-et-Acteurs-de-France-Associ%C3%A9s-1555154504706434/?pnref=story
※ローランス・ロシニョル家族・児童・女性権利大臣
http://www.ambafrance-jp.org/article7488
村上良太
■50歳以上の女優にもっと出演の機会を!俳優たちが自ら立ち上がる 「50歳の女優のトンネル」委員会リーダーのマリーナ・トメ氏に聞く Intreview : Marina Tome (l’AAFA-Tunnel de la comedienne de 50 ans)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201701190456304
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