フランスのRyokaです。 日本では、また自民党が圧勝してしまいましたね。 べリタの記事も虚しく、投票率も相変わらず低くて、無念としか言いようがありません。
さて、その選挙ですが、当然私も一人の日本人有権者として投票したかったのですが、また今回も投票できませんでした.
というのも、直近で行われた2度の衆議院総選挙を、どちらも郵送投票したのですが、2度とも投票日に間に合わせることができなかったのです。
最初は普通の航空便で送ったところ、数日どころか数週間も遅れるという虚しい結果に終わり、「次は大金をはたいても、速達で送ろう」と決めていました。
普通航空便は追跡付きで4,5ユーロ(600円弱)、速達は59ユーロ(8千円弱!)なので、最初から後者の金額を支払うのは気が引けたのです。
ところが、今回は(・・・というか今回も?)解散総選挙ということもあり、事前に時間の余裕をもってしておきたかった投票用紙の請求が思うようにできず、実際に選挙管理委員会から投票用紙が届いたのが、選挙6日前の火曜日。その日のうちに郵便局に走り、最後の最後まで迷った挙句、なけなしの59ユーロを払って日曜日の午後8時までに届くことを祈っていたのですが、投票用紙が到着したのは、奇しくも投票日の翌日、月曜日の午後でした。
私のような海外在住邦人は、在外公館(大使館や領事館など)での直接投票、または郵送投票のどちらかを選ぶことができます。
とはいえ私の場合、管轄の在外公館がストラスブールの領事館で、我が家からは車で2時間強、公共交通機関を使えば3〜4時間はかかる上に、8か月前に次男が生まれ、幼子を連れてわざわざ直接投票する余裕はなく、郵送で投票せざるを得ませんでした。
ただ前回と前々回に躊躇した“高額”速達を郵送方法に選んだにも関わらず、投票できなかったことで、次回の投票をどうするべきか、というよりも、そもそもが、在外投票のシステムに無理があるのではないかという気がします。
http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-78967.html 実際のところ、海外の日本人有権者10万人(といっても、これは在外選挙証を持っている海外邦人の数で、実際の有権者は80万人と言われています。)のうち、上記の方法で投票しているのは毎回20%前後(約2万人)だそうですが、それは期日に届いた数であって、期日までに届かずに無効になった投票用紙が少なくないのではないかと思わずにはいられません。
在外公館で直接投票したとしても、各在外公館も個人の投票用紙を一封ずつそれぞれの選挙委員会に送るので、それが必ずしも期日までに届くとは限らないのです。
アメリカなどでは、郵送投票は投票日が過ぎてもある程度の期間は有効になるようですし、そうでなければ、在外投票を考慮して公示日から投票日までの期間を拡張するとか、投票用紙の請求をインターネットでできるようにするとか、はたまたフランスのように国内にいる代理人を登録して代理投票するなどの改善策が考えられます。
それにしても、今回の郵送投票ではいくつか不可解な点があったのも事実です。 まず、投票用紙を請求したとき、宛て先に「選挙管理委員会」と明記したにも関わらず、追跡ページに税関にひっかかった形跡がありました。また、投票用紙を速達で郵送した際には、同じく追跡ページの土日に空白期間がありました。先週は土日といえども、選挙を理由に配達は行われていたはずなので、速達ならばもっと急いでもよさそうなものです。
もしかするともしかしたら、これらの在外投票の仕組みは意図的に複雑にしてあり、更にそれに輪をかけて届けないようにする力が働いているのではないか・・・と疑ってしまうのは負け惜しみでしょうか。
東京新聞には、移動が困難な高齢者が要介護が不十分だという理由で郵送投票の権利を持てず投票できないという記事が載っていました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201710/CK2017100402000154.html 国内外で、投票を諦める人がいる一方で、大した理由もなく投票を怠ける有権者がいるのは皮肉な話です。
Ryoka ( 在仏 )
■ブルキニ騒動で私たちが聞き逃したこと シャードルト・ジャヴァンによる「共和国にかかったベール」 Chahdortt Djavann (翻訳・紹介 Ryoka 在仏 )
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201611232110453 ■フランスで命を狙われるタイ人たち Ryoka (在仏ブロガー)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201611042136275 ■イタリア人の映画監督がイタリア中部アマトリーチェ地震の被災者らをパスタにたとえた風刺画を読み解く 〜母に捧げる風刺画の読み方〜 Francesco Mazza(翻訳 Ryoka)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201610200811454 ■シャルリー・エブドはなぜイタリア人被災者をラザニアに例えたのか 〜 風刺漫画について〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201610161954160 ■シャルリー・エブドのシリア難民を扱った風刺画について 〜批判に対する作者RISSの反論〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201510021439525 ■不可解な風刺画掲載本
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201503112107253 ■シャルリー・エブドは難民を馬鹿にしているのではない
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201509161922143 ■拝啓 宮崎駿 様 〜風刺画について〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201503102218542 ■「日本 川内原発が3・11のトラウマを呼び覚ます」 社会学者 セシル・浅沼=ブリス Cecile Asanuma-Brice (翻訳・紹介Ryoka)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201604221513295 ■フランスの原子炉相次いで停止、電力不足の懸念も Ryoka (在仏ブロガー)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201610200750554
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