農民連食品分析センターは10月19日、国産の鶏卵8商品についてフィプロニルなどの残留農薬は検出されなかったと発表した。欧州では今年7月、鶏卵などから使用が禁止されている浸透性農薬のフィプロニルが検出され「エッグ・スキャンダル」として大きな問題になっていた。鶏卵のフィプロニルは、韓国や台湾でも見つかていた。(有機農業ニュースクリップ)
欧州の「エッグ・スキャンダル」の後、日本では、農水省や厚労省は輸入鶏卵への検査強化と、サイトにQ&Aを掲載する程度で、国産鶏卵の緊急検査などの目だった動きはなかった。厚労省が例年公表している食品中の残留農薬検査のまとめでも鶏卵のフィプロニルの検査結果はなかった。こうした状況に農民連食品分析センターは独自に、日本の鶏卵のフィプロニルを含む残留農薬について調査したもので、全卵と殻に分けて、別々に検査している。
農民連食品分析センターが検査した8商品は次の通り。 ------------------------------------------------------- 産地 生産者・選別包装者 販売者 ------------------------------------------------------- 秋田県 (有)大館ファーム 横浜鶏卵(株) 千葉県 (株)パートナーズ関東GP 横浜鶏卵(株) 群馬県 (株)丸金 茨城県 (株)丸金 青森県 (有)中月産業 国 産 (株)アマタケ 国 産 (株)丸金 福島県 (株)アグリテクノ大関GP -------------------------------------------------------
・農民連食品分析センター, 2017-10-19 市販鶏卵の残留農薬調査結果2017 その1 http://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/agr/egg_fipronil/index.html
・厚労省 平成25〜26年度 食品中の残留農薬等検査結果
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000170772.pdf
本来、国や都道府県で行うべき食品の安全に関する検査を、民間の検査機関がやらざるを得ない現状は、「食品の安全」がいかにお寒い状況にあることを示しているといえる。市販の鶏卵を検査してフィプロニルが見つかった韓国では、政府主導で、国内の全ての養鶏場について3日間で検査を完了させている。
◆ 検査拡大へ クラウドファンディングで支援を募る
8商品のいずれからも残留農薬が検出されなかったことは、良かったとはいえ、国産の鶏卵全てが安全とはいい難い。農民連食品分析センターでは、40以上に検体数を増やして検査対象を拡げたいとしている。そのための研究調査費50万円の支援を、クラウドファンディングのReadyfor(レディーフォー)で10月23日から12月15日まで募るという。
・Readyfor 「国産鶏卵の残留農薬調査をみんなの手で取り組みませんか?」 https://readyfor.jp/projects/egg01
・問合せ先 農民連食品分析センター 〒173-0025 東京都板橋区熊野町47ー11 電話 03-5926-5131 FAX 03-3959-5660 メール power8@nouminren.ne.jp
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