・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・国際
・農と食
・教育
・文化
・アジア
・入管
・中国
・市民活動
・米国
・欧州
・みる・よむ・きく
・核・原子力
・検証・メディア
・反戦・平和
・外国人労働者
・司法
・国際
・イスラエル/パレスチナ
・市民活動告知板
・人権/反差別/司法
・沖縄/日米安保
・難民
・医療/健康
・環境
・中東
提携・契約メディア
・AIニュース
・司法
・マニラ新聞
・TUP速報
・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus
・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2024年11月22日
・2024年11月21日
・2024年11月20日
・2024年11月18日
・2024年11月17日
・2024年11月16日
・2024年11月15日
・2024年11月14日
・2024年11月13日
・2024年11月12日
|
|
2017年11月28日20時55分掲載
無料記事
印刷用
検証・メディア
個人消費がマイナスの原因は、「消費に慎重な若い世代の存在」って本当? Bark at Illusions
NHKニュース7(17/11/15)は国内総生産(GDP)の速報値を伝えるニュースで、GDPが増加した一方で個人消費がマイナスになっていることについて、「消費に慎重な若い世代の存在」をその理由に挙げて視聴者をミスリードしている。
ニュース冒頭で、
「GDPの半分以上を占める個人消費はマイナスに転じ、振るいませんでした。その理由の一つといわれているのが、お金を使いたがらない、ものを欲しがらない、消費に慎重な若い世代の存在です」
と述べて、月収30万円余りのうち7万円を将来の子どもの教育費として毎月貯蓄している4人家族の家庭を紹介。そして30代の女性が主な読者だという『サンキュ!』(ベネッセコーポレーション)の編集長・飯塚真希氏の
「将来の自分に対して仕送りをしているっていう言い方をされる方がいらっしゃって、(お金を)使えないというより、使う時期をずらしているだけっていう意識が高い」
というコメントを紹介した後、「使いたがらない世代」に商品を買ってもらうための企業の取り組みを紹介している。
しかし、個人消費が伸びていない理由として真っ先に挙げられるのは、労働者の実質賃金が減少していることと、2014年4月に安倍政権が消費税率を5%から8%に増税したことだろう。労働者の実質賃金は2012年の安倍政権発足以来、年間10万円減少している(赤旗17/10/7)。また消費税の増税は「深刻な消費不況を招き、総務省の調査でも消費支出は消費税増税後から今年8月までの41か月のうち、前年同月比で増えたのはわずか4カ月だけ」(赤旗、同)で、依然として増税後の消費の冷え込みから回復していない。 現在、政府が所得控除の見直しでサラリーマンの税負担増を検討していることや、安倍晋三総理大臣が消費税率10%への引き上げを明言していることも考えれば、安倍政権の政策が問われるこうした点こそ伝えるべきだが、ニュース7は一切言及していない。
ニュース7が理由に挙げた「消費に慎重な若い世代の存在」自体も、実は安倍政権の政策に責任がある。ニュース7は「使いたがらない世代」に商品を買ってもらうための企業の取り組みを紹介した後、ニッセイ基礎研究所・久我尚子氏の
「目の前の雇用収入不安と将来の社会保障不安、その両面を緩和していかないと消費をしようという考えにはなかなかならない」
というコメントでニュースを終えているが、久我氏の指摘こそ、もっと掘り下げて伝えなければならない。 安倍政権下で雇用が増えたというけれども、「2012年から16年の4年間で増えた正規雇用者は22万人、非正規雇用者は207万人」(赤旗17/10/6)。増えているのは賃金の低い非正規雇用だ。さらに正規雇用と非正規雇用の平均給与の差は2012年から4年連続で広がり、2016年には315万円にまで広がっている(朝日17/9/29)。また社会保障については、安倍政権は年金の削減や医療・介護費用の負担増など、国民への負担を増やしている。「目の前の雇用収入不安と将来の社会保障不安」は安倍政権の政策によるものだ。
個人消費が伸びないのは安倍政権の政策にその責任があるにもかかわらず、ニュース7は「消費に慎重な若い世代の存在」だけを個人消費が伸びない理由に挙げて視聴者をミスリードし、安倍政権の政策が問題となることを避けている。 このニュースもNHKが政権に好意的な世論を作り出すためのPR機関(ロシアや中国、朝鮮などが同じことをすればプロパガンダと呼ばれる)であることを示す、数多くある例のうちのひとつだ。
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
|