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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2018年02月07日15時58分掲載
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核・原子力
【脱原発の社会を目指して】 (下) 電力自由化と消費者の責任 槌田 劭
理不尽極まりない値上げの結果、関電の決算は黒字になったものの、経営状況は依然として深刻なのである。16年3月決算(15年度)と17年3月決算を比べると売り上げは2,500億円(8.9%)の減収であり、営業利益も400億円の減益である。販売電力量が省エネと節電によって減少しつづけているからであり、顧客離れの故である。
◆経営危機と再稼働の“麻薬
福島第一原発事故以前と比べると1,511億kW時から16年度は1,215億kW時へ、20%も減少している。中部電力(1,218億kW時)に業界第2位の地位をあけわたした。 2度にわたる大幅値上げにもかかわらず、いや、それ故に、高い電気料金が顧客離れを呼ぶ。値下げしなければ顧客離れは止まらぬが、値下げすれば売り上げは落ちる。進退は窮まっている。原発の足カセは実に重いのである。
しかし、展望のない原発にしがみつくのが現実の関電である。原発の燃料代は火力と比べて安く、当面の運転のためのコスト、限界費用は小さいからである。 “金だけ 今だけ 自分だけ”の経営姿勢では今後の悲劇への配慮も出来ず、原発の再稼働は“麻薬的”誘惑となるのである。
しかし、原発のための固定的支出、3,000億円/年を取り戻そうとすれば、高浜3、4の再稼働だけでは、大きく不足する。大飯3、4はもちろん、40年超の老朽原発の再稼働にも執心せざるをえない。危険なことである。
◆「原発の電気は買わない」の声を
その危険を阻止するためには、脱原発の声を強める必要のあることは言うまでもない。私の所属する「使い捨て時代を考える会」では、福島第一原発事故以降、2011年4月から、ほぼ毎月1回、関電京都支店と話し合う機会を持っている。
電力自由化の昨年4月以前より、「原発再稼働をするならば、関電の電気は買いたくない」という意見を伝えつづけてきた。そして、キンカン行動(毎週金曜日の夕刻5時から7時、京都駅前の関電支店前で自主的自発的な市民運動が行われ、雨の日も雪の日も、約100人が集まる)の仲間たちと共に、「原発の電気はいらない署名」を始めた。 当初は京都での動きであったが、知人、友人のつながりを介して、関西全域に拡げつつある。高浜再稼働に抗議して、8月10日、大阪の関電本店を訪れ、署名運動を始めたこと、現在4,000筆を超え、さらに増えるだろうことを伝達した。この運動は、道義と道理に依拠しているが、同時に原発推進の経営を直撃する。蛙の面に・・・では納まらない動きとして、関電も無視できまい。
原発の電気はいらない。この署名集めを通して、関電から新電力への契約変更を推奨する結果となっている。うなぎ登りに増加する契約変更については、すでに述べた通りであるが、その増加率は高浜原発再稼働が具体化する今年1月を境に、契約変更のスピードは昨年の4.2万件/月から5.5万件/月へと増えている。「原発の電気は買わない」の声の影響であろうか。
キンカン行動では、「原発でつくった電気は買わへんぞ」とともに、「原発にたよれば会社が傾く」とマイクは叫んでいる。会社の経営方針が脱原発へと転換することを願っているからである。関電の経営者に冷や汗をかいてもらうことによって、社内世論が脱原発へと変わることを期待するからである。
自由化によって、電力会社をえらぶことができる権利を持つようになった今、電力消費者には責任が発生している。 原発の電気を買いつづけることは結果として原発推進を支持加担することとなる。万一の事故の危険に対する責任も関電と共有せねばならぬだろう。都市消費者の責任が問われている。 原発再稼働の理不尽に抗議して、「原発の電気は買いたくない」の声を拡げたいと思っている。 (了)
(つちだたかし、「使い捨て時代を考える会」京都)
(原発設置反対小浜市民の会・会報『はとぽっぽ通信』219号掲載分に著者が一部加筆したものです)
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