フランスの西端、大西洋に浮かぶ島の小さな町で、アメリカとフランス両大国の意地の張り合いとも言える論争が続いている。きっかけは、2014年12月、Dolus-d'Oleron(ドリュ・ドレロン)という町の町長・グレゴリー・ジョンドルが、マクドナルドの町内初出店に反対したこと。
「70人の雇用を約束する」と誘惑するマクドナルドに対して、「うち(の町)はごみゼロ運動を掲げている。上がった土俵がすでに違う。」と突き放した。
マクドナルドなど、ファーストフードは嵩張るゴミの代名詞。シャルリー・エブドの関連記事によると、フランスのマクドナルドだけで、毎年4万2千トンのゴミが出るという。
ジョンドル町長は、反対の意思を示すだけでなく、ZADという「持続可能な食区画」という、ファーストフードチェーン店などのスタンスとは真逆の目標を掲げ、マクドナルドの出店は今後も全く視野にないことを強調している。
とはいえ、その程度でファーストフードの大手は引き下がらない。フランスの法律上では、出店条件さえ揃っていれば誰でもどこでも自由に出店できる。市町村長は否が応でもそれに同意しなければならない。
ジョンドル町長が出店同意を渋ると、マクドナルドは即刻起訴。裁判所は町に、出店工事が遅れる代償として、毎日300ユーロ(約4万円)の罰金の支払いを命じた。
住民の意見は二分している。ドリュ・ドレロン町の失業率はフランスの全国平均を大きく上回っていて、マクドナルドの出店を歓迎する住民は少なくない。一方で、町長が募金を募ると、共感した住民などから3万2千ユーロ(約400万円)という、罰金の支払いに充てるだけではあまってしまうほどの金額が集まった。「7月の第二審で勝つことを考慮して、残った募金はZADの開発に充てます。」と町長は自信たっぷりに話す。
ジョンドル町長が懸念するのは、マクドナルドの出店そのものではない。気がかりなのは、2020年の市町村選に向けて、反対派が町やその周辺の大規模な開発事業案をすでに掲げていることだ。ひとたび次の選挙で負ければ、町が一変してしまう。それが怖い。
フランスでは、市町村の周辺にファーストフードなどのチェーン店が乱立し、景観が損なわれるようになって久しい。マクドナルドだけ見ても、現在すでに1380店舗、アメリカに次ぐマクド消費大国になってしまった。これ以上「美食の国」の名に恥じる開発が続かないよう、町長には最後まで踏ん張ってもらいたい。
https://www.ouest-france.fr/nouvelle-aquitaine/charente-maritime/ile-d-oleron-le-maire-lutte-contre-l-arrivee-d-un-macdo-et-installe-une-zad-inedite-5713101 Ile d’Oleron. Le maire lutte contre l’arrivee d’un MacDo ... MacDol contre MacDo : a Dolus d'Oleron, sur l’ile d’Oleron (Charente-Maritime), ou le maire refuse l’implantation de l’enseigne americaine de restauration rapide, quelque 200 personnes ont inaugure samedi une ZAD inedite, une Zone d’alimentation durable. www.ouest-france.fr
http://www.europe1.fr/societe/oppose-a-limplantation-dun-mcdonalds-sur-sa-commune-un-maire-veut-creer-un-zad-zone-dalimentation-durable-3636413 Oppose a l'implantation d'un McDonald's sur sa commune, un ... Gregory Gendre n'est pas un zadiste comme les autres. Le maire de Dolus-d'Oleron, sur l'ile d'Oleron en Charente-Maritime, est oppose a l'implantation d'un restaurant McDonald's sur sa commune. "On a ete elu sur un programme de transition ecologique, sociale, citoyenne et l'analyse que l ... www.europe1.fr
Ryoka ( 在仏 )
■ブルキニ騒動で私たちが聞き逃したこと シャードルト・ジャヴァンによる「共和国にかかったベール」 Chahdortt Djavann (翻訳・紹介 Ryoka 在仏 )
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201611232110453
■フランスで命を狙われるタイ人たち Ryoka (在仏ブロガー)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201611042136275
■イタリア人の映画監督がイタリア中部アマトリーチェ地震の被災者らをパスタにたとえた風刺画を読み解く 〜母に捧げる風刺画の読み方〜 Francesco Mazza(翻訳 Ryoka)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201610200811454
■シャルリー・エブドはなぜイタリア人被災者をラザニアに例えたのか 〜 風刺漫画について〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201610161954160
■シャルリー・エブドのシリア難民を扱った風刺画について 〜批判に対する作者RISSの反論〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201510021439525
■不可解な風刺画掲載本
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201503112107253
■シャルリー・エブドは難民を馬鹿にしているのではない
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201509161922143
■拝啓 宮崎駿 様 〜風刺画について〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201503102218542
■「日本 川内原発が3・11のトラウマを呼び覚ます」 社会学者 セシル・浅沼=ブリス Cecile Asanuma-Brice (翻訳・紹介Ryoka)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201604221513295
■フランスの原子炉相次いで停止、電力不足の懸念も Ryoka (在仏ブロガー)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201610200750554
■「またしても投票できず」 Ryoka ( 在仏 ) 〜海外在住の日本人の投票事情に関する日刊ベリタ編集部への緊急寄稿〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201710260123104
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