・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・教育
・文化
・アジア
・国際
・入管
・中国
・市民活動
・米国
・欧州
・みる・よむ・きく
・核・原子力
・検証・メディア
・反戦・平和
・外国人労働者
・司法
・国際
・農と食
・イスラエル/パレスチナ
・市民活動告知板
・人権/反差別/司法
・沖縄/日米安保
・難民
・医療/健康
・環境
・中東
提携・契約メディア
・AIニュース
・司法
・マニラ新聞
・TUP速報
・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus
・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2024年11月21日
・2024年11月20日
・2024年11月18日
・2024年11月17日
・2024年11月16日
・2024年11月15日
・2024年11月14日
・2024年11月13日
・2024年11月12日
・2024年11月11日
|
|
2018年06月12日14時37分掲載
無料記事
印刷用
検証・メディア
朝鮮戦争終結を目指すトランプを過小評価してきたニュースウォッチ9と朝日新聞 Bark at Illusions
6月12日の米朝首脳会談は合意文書への署名など予想を上回る動きをつくり出して終わった。戦後史を飾る最後の政治的事件ともいえるこの歩みは始まったばかりだが、日本のマスメディアの報道はこれまでどちらかというと水をかける側に立っていた感がある。その動きをまとめた。
朝鮮のキム・ジョンウン労働党委員長と合衆国のドナルド・トランプ大統領が共に前向きな姿勢で臨む史上初の米朝首脳会談。トランプが朝鮮戦争終結の可能性に言及するなど、朝鮮半島の非核化や東アジアの平和と安定に向けての大きな一歩となることが期待される。しかし日本のマスメディアの中からは、トランプに対して「非核化より朝鮮戦争の終結を優先している」などいった批判の声が聞かれた。
例えば、NHKワシントン支局長の田中正良(ニュースウォッチ9 18/6/7)は、
「気になりますのは、首脳会談が近づくにつれてトランプ大統領の北朝鮮に対する物言いは融和的なものに聞こえるようになっていることです。大統領の関心は今、キム委員長との首脳会談をいかにして成功させるのか、この一点に集中しています。難航が予想されます非核化より、朝鮮戦争の終結という歴史に名を刻む偉業の達成に関心が移っているように感じます」
と述べた後、非核化や日本の拉致問題、短距離・中距離弾道ミサイルの問題が「大統領の最優先課題ではなくなっている」という不安からか、朝鮮戦争終結に前向きなトランプを
「キム委員長との会談を、お知り合いになる機会とまで後退させてしまった」
と、酷評している。
朝日新聞(18/6/9)も、
「複雑で時間のかかる非核化の実現よりも、首脳の宣言で成果が示せる朝鮮戦争の終結を優先」 「歴史的な成果を演出する狙いがありそうだ」
などと朝鮮戦争終結を目指すトランプを過小評価し、「ハードルを下げ過ぎている」、「重要なことは、(北朝鮮に)過大な譲歩をしないことだ」という合衆国の政府関係者の批判の声を紹介している。
ニュースウォッチ9も朝日新聞も、朝鮮の非核化と朝鮮戦争の終結を別の問題であるかのようにとらえていたけれども、これらの問題は表裏一体だ。 朝鮮は朝鮮戦争(1950年〜)で合衆国に国土を完全に破壊され、1953年の休戦協定以降も核兵器を含む合衆国の軍事的な脅威に常にさらされてきた。その脅威に対する抑止力として核兵器を開発してきたのだから、朝鮮としては合衆国の対朝鮮敵視政策が続く限り、核兵器を手離すわけにはいかないだろう。逆に朝鮮戦争が終結して合衆国の軍事的脅威がなくなれば、朝鮮は核兵器を持つ理由がなくなる。実際、キム・ジョンウンは韓国のムン・ジェイン大統領に、合衆国が朝鮮を侵略しないと約束するなら朝鮮は核兵器を保有する必要がないと語っている。 つまり朝鮮の非核化と合衆国の対朝鮮敵視政策の中止や米朝平和協定の締結は切り離せないものであり、朝鮮戦争終結はそのための大きな一歩になる。そしてそれは日本にとっても東アジアの平和と安定につながり、拉致問題の解決や、増額が続く軍事費の削減も期待できるだろう。
朝鮮政府はこれまで一貫して合衆国政府に対して平和協定の締結や敵視政策の中止を求めており、朝鮮側に合衆国と敵対する意志がないのは明白だ。これに対して、脅威を煽って軍需品で儲けたり、今後もアジアに軍を駐留させたい合衆国に、本気で朝鮮戦争を終結させて朝鮮に対する敵視政策をやめる意志があるのか。マスメディアはNHKや朝日新聞のように朝鮮戦争終結を目指すトランプを過小評価するのではなく、そこに焦点を当てるべきだ。
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
|