数ミリから数十ミクロンのマイクロプラスチックが、プランクトンや魚介類を通して人の食にも入り込んできていることが明らかになってきて、使い捨てプラスチックへの対応が待ったなしになってきている。米国シアトル市は10年の経過期間を経て、この7月1日から使い捨てのストローや食器などの原則使用禁止の条例を施行した。対象は市内全域の5千軒の飲食店だという。原則として生分解性かリサイクル可能な製品以外は禁止されるという。(有機農業ニュースクリップ)
これにより、シアトル市は使い捨てストローなどを禁止する全米初の大都市だといい、ニューヨークなど米国の他の大都市も追随する動きがあるいう。G7のプラスティック憲章への書名を拒否した米国は、日本と同じように国としての規制はないものの、州や市のレベルで規制と代替品への切換を進めている。
シアトル・タイムスによれば、禁止はプラスチックのストロー以外にもフォーク、スプーン、ナイフ、カクテルピックなどが対象だとしている。ストローは生分解性のプラスチックは認められるというが、環境団体は紙ベースのストローの使用を推奨しているという。
今回の施行ではフレキシブル・ストローが必要な場合には例外が認められるといい、画一的な対応ではない。また、市の担当者も最大250ドルの罰金について「規則を守ってもらうように、企業を支援していく」というように柔軟な対応のようだ。
この使い捨てプラスチックストローなどを禁止する条例は2008年に制定されたが、代替製品の供給などの点から施行が延期されていたという。3年前に切り替えたというあるレストラン経営者は、「代替品のコストは石油製品の30〜40%高かったが、ここへ来て10%高ぐらいになってきている。切り替えたのは、それが正しいことだからだ」と語っているという。
シアトル市の使い捨てプラスティック・ストロー禁止は、十分な時間をかけて移行への準備を踏んできている。代替品が十分に供給可能な状態であることを確認しての条例施行だという。
・Seattle Times, 2018-7-1 Q&A: Seattle’s plastic straw ban now in effect; here’s what you need to know https://www.seattletimes.com/seattle-news/q-heres-what-you-need-to-know/
・My Northwest, 2018-7-1 Seattle becomes first major city in U.S. to enact plastic straw, utensil ban http://mynorthwest.com/1037728/seattle-becomes-first-major-city-in-u-s-to-enact-plastic-straw-utensil-ban/
・NHK, 2018-7-2 プラスチック製ストロー禁止 米シアトル https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180702/k10011504081000.html
こうした規制それ自体はよいとしても、使い捨てプラスチック製品が至るところにある現状では、一挙に使い捨てプラスチックをゼロには出来そうもない。そうであったとしても、一人ひとりができることから始めなければ変化は生まれない。3R=Reduce(リデュース:減らす)・Reuse(リユース:繰り返し使う)・Recycle(リサイクル:再資源化)を、身の回りで具体的に考えることも必要。買い物してもレジ袋をもらわない、ビニール製ではなく紙製にする、ポリ袋を使いまわす、水筒を持ち歩きペットボトル水は買わないなどいくつもある。
《 お知らせ 》 グリホサート関連年表に、グリホサートの出荷量、代表的商品名、農薬抄録などの基本的なデータをまとめた表を追加しました。
・グリホサート関連年表 http://organic-newsclip.info/nouyaku/glyphosate-table.html
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