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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2018年08月20日15時40分掲載
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米新聞の「報道の自由の擁護キャンペーン」 ニューヨークタイムズの社説から
8月17日付のニューヨークタイムズ国際版に”A FREE PRESS NEEDS YOU”( フリープレスはあなたを必要としています)と題する社説が掲載された。これはトランプ政権が新聞ジャーナリストに対して「フェイクニュース」(捏造された記事)と言って非難していることに新聞業界を挙げて対抗するため多くの新聞社が同時に社説で報道の自由を擁護する社説を掲げたのである。報道によれば参加した米新聞社はローカル紙を入れて350紙以上とされる。呼びかけたのはボストングローブ紙だったそうだ。
ニューヨークタイムズのこの日の社説を読んだ印象は、実をいうとさして強烈でもなかった。というか、ニューヨークタイムズはしょっちゅうトランプ大統領批判を辛辣に展開しているために、むしろ普段の具体的なイシューをめぐる大統領批判の社説の方がもっと辛辣で手厳しい気がした。とはいえ、ニューヨークタイムズがキャンペーンとして掲げた社説の論旨の構成を大雑把に見ると次のようなものだ。
■社説の組み立て
1、建国の父、トマス・ジェファーソンは「新聞なき政府」か「政府なき新聞」か二者択一を迫られたらためらわず後者を選ぶと言っていた。ところが、実際にジェファーソンが大統領になると新聞にたくさんの嘘があると言ってその価値を貶める言動すら取るようになった。だが、建国の父たちが当初考えていたことが正しかったのであり、人々は民主主義を維持するためには正しい情報を得る必要がある。
2、1964年に最高裁が「公の場での議論は政治における義務である」と判決を下した。これらの議論の中には政府や官僚への厳しい批判ももちろん含まれる。
3、ところが2018年に公の場での議論に水を差す行為が政府の官僚から起こされた。報道メディアが事実を歪曲して、誤った記事を書いているというものだ。これ自体は間違っていない。記者も編集者も人間である以上、誤ることはあるし、それを正すことは報道の大切な業務である。ところが自分が気に入らない記事をフェイクニュースと言うのは民主主義への脅威である。さらにジャーナリストを「民衆の敵」というのは危険である。
4、こうした報道への攻撃はジャーナリストの報道の自由が法的にあまり保障されていない国々ではもっと大きなリスクだし、米国においても小さな新聞メディアにとっては脅威である。というのも今日、ローカル紙は不況の影響で厳しい経営環境に置かれているからだ。にもかかわらず記者たちは大変な重労働をしている。Sun Louis Obispo Tribuneを例にとると、たった46時間、拘置所に収容された人物が死亡した事件を報じた。この記事は精神疾患の人を収容する場合の方法に変更の必要があることを郡当局に知らしめた。
5、ニューヨークタイムズは先週、ボストングローブ紙の呼びかけに応じることにした。小さなものから大きなものまで数百紙が参加する。その目的はアメリカにおける報道の自由の価値を読者に訴えることにある。もしあなたが未だ新聞を取っていないのなら、ぜひとも地域の新聞を取ってください。記事がいまいちなら批判し、記事が素晴らしければ褒めてください。私たちはみなこの点で同じなのです。
このあと、連携したいくつかの新聞の社説の抜粋を紹介している。報道の自由は民主主義のために不可欠であり、公の場で議論を行うためには正確な情報が必要であり、新聞はその基幹となる媒体である、という認識が語られている。当たり前と言えば当たり前に過ぎる。しかし、日本において、新聞が報道の自由を行使できているかどうかは疑問が大いにつきまとう。それと、ニューヨークタイムズの社説では終わりに、新聞をsubscribe(購読の申し込み)してくださいと呼びかけている。新聞社の経営が基本的にはどこも厳しくなっているのだろう。
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