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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2018年08月27日21時13分掲載
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コラム
初心者がニューヨークタイムズで英語を学ぶ方法 村上良太
高校生や大学生、あるいは専門学校生や社会人になったものの余暇に英語をもう少し勉強したいと思っている人たちにお勧めがニューヨークタイムズ紙を使うことです。一生懸命やれば1年か2年もすれば辞書を片手に記事をある程度独力で読めるようになるでしょう。お金は新聞代だけです。時間も臨機応変に1日の中で空いている時間を30分とか1時間とか割くだけでできます。ただ、それにはコツがあるのです。
英語を読むにあたって必要なものは英単語や英文法などの基礎知識はもちろんですが、英語の読解に必要な能力はそれだけではありません。実を言えば国語力と一般教養の知識が不可欠なのです。
1)英単語や英文法の知識 2)国語力(日本語の読み書き能力と論理的思考力) 3)一般教養
たとえば日本人は日本語が話せるから、日本語ならどんな文章でも簡単に読めるかと言えば決してそうではありません。経済学の基礎知識がない人に経済学の本を与えて読ませても、なかなかスムーズに読めないはずです。ところが経済学の知識を持っていればもっと楽に読めたでしょう。そして、このことは英字新聞の読解にも言えて、経済記事を読んで難しく感じる理由の大きな原因が経済の基礎知識が欠けていることに由来します。そうであれば日本語のテキストでよいから、経済学の入門書を読んでおくとよいのです。同様のことは法律や政治、科学や哲学などでも言えます。日本語でそれらの基礎的な本を読んで理解している人は英語で相当する記事を読んでも理解が早いはずです。
こうした事情を考えると、ニューヨークタイムズを読みながら、そこに出てくる経済や政治、社会の事象に関して、それらに関連した入門書をまず日本語で読み、さらに余裕があれば英語で同等の内容の入門書を読むとよいと思います。そうすると、英語で読んでも各分野の基礎概念が頭に入っているために、脳にかかる負荷が少なくてすみます。基礎知識がないうえに英語力も乏しいとなると、脳に2重に負荷がかかってしまいますが、1つでもあらかじめ負荷を減らしておけば読むのはずっと楽になり、また楽しくもなります。これを若い時にやっておけばその後の長い人生にプラスになると思います。というのもよい情報に触れることができるかどうかで人生は大きく変わるのですから。
英語を通して得られる情報は英米語圏に限らず、ロシアや中南米のような他の地域のことでも英語で翻訳されたり、紹介されたりしていることが多く、その意味で英字新聞に親しんでおくと、結果的に大きな情報資源の海にアクセスできることが可能となります。さらに今日日本のメディアは政権に忖度してなのか、報道されない領域が増えているように感じます。つまり日本の新聞だけ読んでいてもわからない領域が増えているように感じられるのです。こうした場合にニューヨークタイムズはその欠落を補ってくれるものの1つだと思います。ニューヨークタイムズが完全だというのではまったくありませんが、ニューヨークタイムズを読んでいると国内のメディアだけでは知りえなかった概念や事象、考え方といったものに毎日出会うことができます。各分野の興味深い論考だけでも社説を別にして毎日、6つほどあるのです。これらに多少なりとも親しんでおくことは外国人とコミュニケーションをとる時に大きな力になるはずです。
先ほど触れました各分野の基礎概念の学習は大学の最初の2年間で行う一般教養の過程に該当します。記事を読みながら、一般教養を学び、また本で学んだことを記事の読解に生かすというやり方に慣れてくると、記事を読むのがますます楽しくなるはずですし、英語圏の論客たちの論の進め方にも興味がわいてくるはずです。専門分野だけやればいいんだ、一般教養なんて必要ないんだという考え方は英語の学習にとっても非常にマイナスです。こういう異文化に触れた経験とか感覚は将来、ビジネスで役に立つでしょう。記事の読解はつきつめれば、パズルを解くのと同じ楽しみです。
村上良太
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転載について
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