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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2018年11月23日10時31分掲載
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検証・メディア
元「慰安婦」らの反対はなぜ?を伝えない日本マスコミ
韓国政府は11月21日、日本軍「慰安婦」問題に関する2015年12月の日韓両政府の合意に基づき韓国に設立された「和解・癒し財団」を解散させる方針を発表した。 日本の安倍政権は「ありえない。到底受け入れられない」などと韓国側を非難。マスコミも一斉にその主張を流しているが、なぜ元「慰安婦」の女性や韓国の市民が2015年の日韓合意に反対しているのかは、ほとんど伝わらない。そんな報道でいいのか。
韓国政府は、「『被害者中心主義』原則の下、多様な意見を取りまとめた結果などを土台にして、財団の解散を推進する」としている。この「被害者中心主義」がキーワードだ。 つまり、2015年の合意は、当事者に十分相談なく、頭越しに決められたという思いが元「慰安婦」の被害女性や支援者には強い。この点が一つだ。
加えて、結果として、日本側のお詫び・謝罪の表明が適切ではなく、被疑者らの不信を呼ぶものになったということだ。どういうことか。 2015年の合意発表の記者会見では、 「安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」 と述べられた。しかし、これは岸田文雄外相(当時)の言葉・代読だった。 安倍首相本人は同じ日、「子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない」と述べ、これで慰安婦問題は終わりだと言わんばかりだった。日韓合意が日本政府の明確な責任を欠いていたことと相まって、この首相の態度は当初から不信を呼んだ。 さらに、翌2016年1月の国会では「性奴隷といった事実はない」「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」と首相が繰り返し、自民党の桜田議員に至っては「慰安婦は職業としての娼婦」と発言する始末。これでは、岸田外相が述べた首相のお詫びの言葉は何だったのか、と思われても仕方ない。 こうした日本側の言動は、「全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒し」を「日韓両政府が協力」して行うとした日韓合意に反すると言えるだろう。
国際社会もそのことを批判してきた。今年8月30日に発表された国連の人種差別撤廃委員会の日本審査の所見は、次のように指摘している。 −− 2015年の大韓民国との最近の合意を含む、「慰安婦」問題を解決する努力に関して締約国〔日本〕が提供した情報に留意する一方で、委員会は、これらの努力が十分な被害者中心のアプローチをとっていないこと、存命の「慰安婦」は適切に相談を受けていないこと、第二次世界大戦以前および大戦中に、軍によってこれらの女性になされた人権侵害について、この解決は〔日本側の〕明白な責任を規定していないこと、とする報告を懸念する。 委員会はまた、「慰安婦」に関する政府の責任を矮小化する一部の公人の発言と、そうした発言がサバイバーに与える潜在的な否定的影響を懸念する。
−− 締約国が、被害者中心アプローチを伴い、〔韓国だけでなく〕あらゆる国籍の「慰安婦」を包摂し、これらの女性たちに対する人権侵害において締約国が果たした役割に関する責任を受け入れた、「慰安婦」問題の永続的な解決を確保するよう勧告する。 (人種差別撤廃NGOネットワークの仮訳)
安倍首相は、こうした声に真摯に向き合い、日韓合意で表明した日本政府の「心からおわびと反省」にふさわしい行動をとるべきだろう。「日本側が行うべきことは何もない」「解決済み」と言うだけでは、今の事態は打開できない。 日本のマスコミには、こうした面もきちんと伝えてほしいものだ。(西条節夫)
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