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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2019年01月24日15時13分掲載
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農と食
米国USDAとFDAが「細胞培養」肉の開発・生産を食品として認める いよいよ「細胞農業」時代の幕開けか 上林裕子
米国農務省(USDA)と食品医薬品局(FDA)は昨年11月、家畜や家禽の細胞を培養して生産する「細胞培養肉」に対し、共同して規制・監督してゆく旨のステートメントを発表した。実験室のシャーレの中で培養・増殖される再生医療用の皮膚のように、食用肉も実験室で培養・生産する時代になったということなのか。
USDAやFDAが規制・監督の方向を示したということは実用化に向けた動きが早まっているということだろう。ステートメントでは細胞培養肉の規制について新たな法律の制定の必要はなく、現行法で対処できるとしている。消費者団体や食肉業界からは、従来の食肉と区別がつき、生産方法が分かるような表示が必要性や、安全性の確保を求める声が上がっている。
写真1 公聴会でメンフィス・ミートが示した細胞培養肉の概念図
◇水や土地を多用せずCO2排出量も少ない「細胞培養肉」はエコ? 「細胞培養肉」は生きた家畜や家禽から筋肉細胞を採取、それを実験室の培養培地の中で増殖させ、筋肉組織を作る。 家畜や家禽の肉は人々にとって主要なたんぱく源だが、今後40年で肉の需要はさらに高まり、従来の畜産ではその必要量を満たすことはできないと考えられている。
また、広大な土地と水、エネルギーを多用する従来の畜産に対して、細胞培養肉であれば水や土地を9割以上、二酸化炭素排出量を7〜9割削減できるとの試算もあり,地球温暖化の視点から見ても、細胞培養肉のほうが持続可能であるとして細胞培養肉の研究が進められている。
◇NGO、公聴会で安全性に懸念を示す
しかし、従来の畜産による食肉と細胞培養肉は「生物学的に同じ筋肉組織である」と言われても、実験室の培地の中で増殖させた筋肉組織が同じ食品として受け入れられるのか、また、食品として安全性が保たれているのか、消費者としては懸念が残るところだ。
USDAとFDAは2018年7月に細胞培養食品に関する公聴会を開催し、細胞培養肉の研究を進める企業や研究者、消費者等の意見を聴取した。
700万人の読者を持つ消費者向け情報誌「コンシューマー・レポート」を発行するコンシューマーズ・ユニオンの上級科学者であるマイケル・ハンセン博士は公聴会で意見を陳述した。
写真2 公聴会で安全性に懸念を示したコンシューマーズ・ユニオンのマイケル・ハンセン博士
博士は細胞培養肉の安全性について、「この新しい技術は食用動物から細胞を取り出し、ビタミン、脂質、アミノ酸及びウシ胎児血清を含む成長ホルモンなどが入った増殖培地でそれらの細胞を増殖・分化させる。しかし、この培養液には動物細胞が含まれているため、病気の原因となる細菌や真菌、ウィルス、マイコプラズマで汚染される可能性がある」戸の懸念を示し、「消費者に細胞培養肉の安全性を保証するためには実験室で製造された肉の評価は必須である」と述べている。
◇「lab-grown meat」など生産方法分かる名称に
また、細胞培養肉が従来の食肉と異なることを消費者に知らせ、消費者の選択に資することが重要で、そのためには違いが分かる名称で表示するべきであるとした。
細胞培養肉の名称について、コンシューマー・レポートが全国の消費者に電話アンケートを行った結果、最も多かったのが『実験室で作られた肉(lab-grown meat)』で、次いで『人工肉または合成肉』が多かった。FDAが例示する『養殖肉』や『クリーン・ミート』はどんな肉なのか生産方法等が伝わらない名称なので「あまり選ばれなかった」とのことだ。
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