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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2019年02月03日11時28分掲載
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トランプが米朝首脳会談で合意した約束を守るのではないかと懸念するマスメディア Bark at Illusions
合衆国と朝鮮は2回目の米朝首脳会談を開催することで合意した。マスメディアは、困難な内政に直面している合衆国のドナルド・トランプ大統領が支持率回復のためにキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長との会談で「安易な妥協」をするのではないかと心配している。しかしマスメディアの言う「安易な妥協」というのは、昨年6月の米朝首脳会談での合意を合衆国政府が履行するということに他ならない。朝鮮側は既に合意に従った行動を取っている。朝鮮半島の非核化を進めるには、合衆国政府が首脳会談での合意に従って朝鮮に対する敵視政策をやめ、朝鮮戦争を完全に終結する必要がある。
昨年の米朝首脳会談でドナルド・トランプは「朝鮮の安全の保証」を約束し、キム・ジョンウンは「朝鮮半島の完全な非核化」に向けた責務を再確認した。その上で両首脳は「新しい米朝関係の構築」と「朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築」、「朝鮮半島の完全な非核化」、「戦争捕虜や行方不明兵の遺骨回収と返還」を行うことで合意した。 会談後、朝鮮側は核実験場の廃棄やミサイル施設の解体、それに米兵の遺骨返還など、合衆国との約束を履行してきた。一方の合衆国政府は、韓国軍との合同軍事演習を一時的に中止してはいるものの、朝鮮戦争の終戦宣言や平和協定締結に向けた交渉を拒み、核搭載可能な爆撃機を日本海に派遣して自衛隊との共同訓練を行ったり、朝鮮政府高官への制裁を強化したりして合意に反する行動を取っている。首脳会談後の経緯を振り返れば、非核化交渉が現在停滞している原因が合衆国側にあることは明らかだ。
ところがマスメディアは、合意を守ろうとしない合衆国政府に合意を守るよう要求するのではなく、合意を守っている朝鮮政府がさらなる非核化措置を示していないことを問題視し、核施設の申告や査察の受け入れを求める合衆国側と「見返り」として制裁緩和や平和協定締結を求める朝鮮側の溝は依然として埋まっていないと指摘した上で、ドナルド・トランプが「安易な妥協」をするのではないかと懸念を示している。
「トランプ氏が、具体的な協議事項が詰まらないまま2回目の米朝首脳会談の開催に応じる意向を示したのは、停滞する非核化交渉をトップ会談で加速させ、ロシア疑惑や政府機関一部閉鎖などで逆風にさらされる政権運営の局面打開を図る狙いがあるためだ。……トランプ政権を取り巻く現状は厳しい。メキシコ国境の壁建設を理由にした政府機関閉鎖やシリア駐留米軍撤収発表は、国内世論や国際社会の強い反発を受け、ロシア疑惑も収束の兆しを見せていない。2度目の米朝会談に意欲を示すのは……北朝鮮との緊張緩和をさらに印象付け、政権の求心力を回復するためである可能性が高い。……今回、成果を急ぐあまり北朝鮮の要求に応じて時期尚早の制裁緩和や在韓米軍の縮小・撤退を表明してしまう恐れを指摘する声が政府内にもある」(高本耕太 毎日19/1/20)
「(トランプが2回目の首脳会談を決めたのは)トップ同士の会談で膠着状態を打開して成果をアピールしたいという狙いがあるんだと思います。……1回目の会談から半年以上進展は見られず……この間国内では野党民主党に議会下院を握られ、ロシア疑惑への追及が強まろうとしています。その野党との対立は公約の国境の壁で激しさを増していまして、政府機関の一部閉鎖が長引いて批判も高まっています。……こうした国内の状況を打破するためにも、外交に活路を見いだそうとしている面もあると思います」、「トランプ大統領がアピールを狙った成果に囚われ、必要な協議を後回しにしたまま安易に妥協するのではという懸念は根強くあります」(石井勇作 NHKニュース7 19/1/19)
しかしマスメディアが言う「安易な妥協」とは、合衆国政府が首脳会談での合意を守ることに他ならない。制裁緩和や朝鮮戦争の終戦宣言あるいは在韓米軍の縮小・撤退は、「見返り」ではなく既に首脳会談で合意済みの約束だ。両首脳が合意した「新しい米朝関係の構築」や「朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築」が、戦争状態の終結と平和協定締結に向けた交渉でなくて何だというのか。制裁や軍事的圧力といった敵視政策は、「新しい米朝関係の構築」や「朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築」と全く相いれない。 マスメディアはトランプが合意を守るのではないかと懸念したり、在韓米軍の撤退の心配までして、結局のところ東アジアの平和を望んでいないのだ。それは、関係国が朝鮮政府との対話に向けて動き出す中でも「制裁」「制裁」と騒ぎ立て、朝鮮半島の非核化と東アジアの平和に向けた交渉を散々妨害して緊張を高めようとしているために「蚊帳の外」に置かれている外交音痴で恥知らずの安倍政権と、マスメディアが一心同体であることを示している。
2回目の米朝首脳会談が成功するかどうか。これまでの経緯が示す通り、それはマスメディアの懸念とは反対に、合衆国政府が首脳会談で合意した約束を守るかどうかにかかっている。キム・ジョンウンは合衆国政府が約束を守れば、非核化をさらに進める用意があると述べている。朝鮮半島の非核化と東アジアの平和のために、合衆国政府に対して朝鮮政府との約束を守るよう圧力をかけるべきだ。
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