2019年5月20日、モロッコ軍事法廷が西サハラ美女に判決を言い渡す予定です。 彼女が何をしたのかって? 彼女は、自分が住むモロッコ占領地・西サハラの首都、ラユーンの街並を撮って、その映像をソーシャルメデイアに流しただけなんです。 ただ、モロッコ占領政策に一言、文句をいっただけなんです。 一方、モロッコの動画投稿者たちは、言いたい放題やりたい放題、嘘つき放題、、 西サハラ難民大統領のセクハラや難民集団脱出や難民キャンプのデモなどなど、その時の旬ネタに応じて面白おかしく、話をでっち上げています。 モロッコ偽作者たちを、法廷にかける策はないのでしょうか?
(1)モロッコ占領地・西サハラから来たジャーナリストたち: 2019年5月12日から26日まで、第一回ジャーナリスト講習が西サハラ難民キャンプのエル・ワリ学校で開かれている。<占領地と海外の西サハラ人担当大臣>であるバシール・ムスタファ―と情報大臣ハマド・サルマが呼びかけ、モロッコ占領地・西サハラからも24人が参加している。24人は西サハラ難民キャンプツアーを組んで、モロッコ占領地を脱出してきたわけではない。モロッコ占領警察は西サハラ住民の移動に、厳しい規制をひいている。モロッコ占領地の首都ラユーン空港から、モロッコのカサブランカ空港を経て、アルジェリアのアルジェ空港に到着するのが最短コースだが、モロッコ警察の目を潜ってくるのは難しい。海路や陸路や第三国経由など、夫々が工夫して脱出してくる。 例年なら、アルジェリアのリゾート海岸でアルジェリア政府がスポンサーになり、西サハラ夏期大学が開かれるのだが、今年のアルジェリアは政情不穏で、西サハラ難民に構っている余裕はなさそうだ。最近とみに、モロッコ占領当局は、平和デモやネット交信に、目を光らせている。占領地でのジャーナリストの活動のみならず、一般被占領民に対してもより一層言論規制を厳しくしている。 西サハラ難民キャンプ通信SPSは、「モロッコ占領地での平和活動やデモを、自らの危険を顧みず伝えてくれる、占領地ジャーナーリストの役割は計り知れない。彼らが占領当局に拘束され、即決裁判で獄に繋がれるのは、許せないし対策を練らなければならない。 この第一回ジャーナリスト講習を出発点に、難民も被占領民も一緒になって知恵を出し合い、祖国西サハラをモロッコの占領から解放していこう」と、西サハラ人民に語りかけた。 西サハラの難民と被占領民は、アルジェリアの政情不安を悲観せずに、独立独歩のチャンスだと、前向きに捉えようとしている。
(2)東チモールの激励: 5月14日、東チモールの首都・ディリにある政府宮殿で、東チモール首相タウル・マタン:ルアクが西サハラ難民政府東チモール新大使モハメド・スラマ・バッデイに、大使信任状を手渡した。新大使は西サハラ円卓会議と国連安保理新西サハラ決議2468を報告した。 東チモール首相は、西サハラ人の民族自決権と独立に向けての闘いを支持する東チモールの基本姿勢に、変わりが無いことを明言した。そのうえで、「勝利はレジスタンスがもたらす。西サハラの人々による長く英雄的なレジスタンスは、遅かれ早かれ訪れる勝利のサインなんだ。我々はあなた方の勝利を確信している」と、語った。 東チモールも西サハラ同様に、1960年の国連独立付与宣言で脱植民地化の対象地域とされていた。が、西サハラに先駆けて東チモール人民は1999年に国連人民投票で勝利を勝ち取り、2002年に独立を果たした。東チモールの植民地状況は西サハラに似通っていた。 東チモールの元宗主国はヨーロッパのポルトガルで、独立運動を戦った植民地支配国はインドネシアだった。一方、西サハラの元宗主国はヨーロッパのスペインで、独立運動を戦っている植民地支配国はモロッコだ。東チモールの独立を支持したポルトガルの首相は、アントニオ・グテーレス国連事務総長だった。2017年に新国連事務総長アントニオ・グテーレス(前国連難民高等弁務官)が誕生した時、西サハラの人々は大いに期待した。が、この事務総長は優先事項を<地球温暖化>と決めて、世界の紛争問題をほったらかしたまま、南太平洋島巡りを楽しんでおられる。<地球温暖化>のパートナーはフランスで、フランスの子分はモロッコで、、西サハラ脱植民地化が遅々として進まないわけだ、、
(3)モロッコ占領地で逮捕された西サハラ美女の運命: 5月16日、HRW(ヒューマン・ライト・ウオッチ)が、モロッコ占領地・西サハラでの自由な表現を妨害するモロッコ占領当局に、非難声明を出した。その最近の例として、ネザ・ハリディのケースを取り上げた。彼女はモロッコ占領地の首都ラユーンに拠点を置く<エキップ・メデイア(報道仲間)>というグループに協力していた。 彼女は2018年12月4日、モロッコ占領警察に逮捕された。逮捕理由は、彼女が西サハラの街頭映像をフェイスブックで流し、モロッコ占領当局の不当な圧力を非難したからだと、占領警察は語る。彼女に対する軍事裁判は2019年5月20日に予定されていて、有罪となれば2年の懲役刑を食らう。2016年には、同じラユーンで女性のデモを撮影していて逮捕された。モロッコ占領当局は彼女を一晩拘束し、彼女のカメラとメモリーカードを没収して釈放した。 HRWのエリック・ゴールドシュテイン中東北アフリカ次局長 は、「平和的に主張する人々を、ジャーナリストを偽ったとして罰してはいけない。ライセンスを持たず情報や映像やコメントを発信することは、犯罪に当たらない。モロッコ占領当局は、被占領民西サハラ住民の表現の自由を奪っている」と、非難した。
モロッコの若者たちは、モロッコを脱出してヨーロッパへの不法入国を試みています。モロッコの北端にあるスペインの街、セウタとメリリヤは、フェンスを越えればヨーロッパです。 ジブラルタル海峡を泳いで渡るモロッコ人も後を絶ちません。 5月16日にトルコ当局が、「救出したボートピープル636人のうち、モロッコ人が565人を占めていた」と、発表しました。 若者の脱出を他所ごとに、5月半ばにモロッコ王国はアメリカ国務長官ポンペオと、アパッチ米国製攻撃ヘリコプターの購入契約を交わしました。 高額兵器の購入の代償に、モロッコ王国は西サハラ問題でアメリカの支持を取り付けようとしています。 まったく、モロッコ国王というお人は、、、オッと、ここで止めておきます。
Youtubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。 「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。 「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年5月20日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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