今次参院選自民党政見放送の評判がすこぶる悪い。そのことが話題となっていることを教えられて、本日(7月12日)初めて、ユーチューブで閲覧した。
16分の我慢というより苦行だったが、なるほどこれはひどい。正視に堪えない。三原じゅん子が、安倍晋三をインタビューする形式だが、考え得る限りでの最悪の人選。このコンビは、これ以上はない最悪の組み合わせ。聞いていて気持ちが悪くなる。異臭漂うがごとき胡散臭さだ。
私が閲覧した時点で、高評価974、低評価5528。率直な感想として、高評価974もあることが信じられない。もっとも、アベと三原の関係者の作為とすれば、諒解可能だが…。シナリオ制作の熱意の不足や技術の拙劣もあろうが、この二人、あまりに国民をバカにしているのだ。まったくのおざなり。真剣さが伝わってこない。
ユーチューブ視聴者からの低評価コメントの書き込みが延々と続いている。せっかくだから、その一部を下記のとおり、書き写しておいた。高評価のコメントは見あたらない。これだけひどいと、アベ親衛隊のネトウヨ諸君も、書きようがないのだろう。
こんな気持ち悪い政見放送、初めて見た 歴代でも最低の黒歴史放送 フェイクだらけの政見放送 恥を知れ、三原じゅん子。 通販番組みたいで胡散臭さがすごい 失敗だね 普通はこんな矛盾することばっかり言うと、馬鹿だと思われるから恥ずかしいと感じるんだけどな なぁなぁ、知ってる?? こういうの、『茶番』って言うんやで?? どこのカルト宗教の方ですか?? 気持ち悪いんだよ 何演技してんだよ 普通に話せよ ここまで白々しいセリフを恥ずかしげもなくよく言えるもんだ 自画自賛と嘘の数々に腸が煮えくりかえるわ 拉致被害者家族をダシにするのほんとうに止めてほしい、、、 全く具体的なことを言っていない。自民党も恥を知りなさい。 これに三原じゅん子起用したのはアカンわ。 こういうのはもっとナチュラルにやれる人じゃないと。 恥を知れ!!!!!!! これはひどい… 国の長がこれでは国民として恥ずかしいです。 いい加減にしてくれ、生ける国難よ。 嘘とごまかし満載の国民をだます言葉でいっぱいです。知性を持ち合わせていない安倍首相と三原じゅんこが互いに相手を褒めちぎるバカバカしさは見ていて恥ずかしいほどです。これが自民党の政見放送であるならば、自民党はもう、ぶっ壊れています。
流石に酷すぎで草。大根役者にも程があるだろwwwwwwwww
大学生です。この動画を見て胸糞悪さしか感じませんでしたが、ここでどれだけ自民党を叩いても何も変わりません。選挙に行きましょう。 政治に関して何も分からなくても政権放送を見れば、誰が本当に本気で日本国民のことを考えてくれているかすぐわかります。
歴代総理の中でもNo.1の○○ それでも自公に投票する○○は同罪。○○につける薬はない。 これを見てもまだ自民党支持する人達って、頭の中どうなってるの? 恥ずかしくて最後まで観ていられませんでした。 この低レベルなシナリオを誰が書いたのか? 毎度お馴染みのレベルの低さだが、今回も官僚が書いたのだとしたら、そヤツは、安倍を陥れようとしているとしか思えない。 茶番大根コント。見てらんない。 選挙にちゃんと行って、ちゃんとした政治家に投票しようね。 この人たちを日本のリーダーにしたのは誰ですか? 過去最高の税収を上げているのに、法人税減税と富裕層減税を行いつつ、「打ち出の小槌はないから増税」で納得できるわけがない。国民の財布は、自民党、政府の打ち出の小槌ではないのですよ。国内の内需を殺して企業の内部留保だけを増やしても外国人投資家に金が流れるだけ。高校無償化や幼児教育無償化は基準が厳しすぎて大半の国民は恩恵に与れない。 これはAIっていう新しい物で作られているのですか? ああ、これが吉本仕込みの新喜劇か 大したものです 右左関係なく言う。これは単純に政権放送として質が悪いと思う。 見る前は低評価の割合の意味が分からなかったけど、実際に16分間これを見させられ続けるのは例え自民党支持者でもキツいわな。
*********<本音版>*********(編集者注 以下は創作です)
三原 NHK視聴者の皆様、このところ話題の三原じゅん子でございます。 あの「八紘一宇」発言で右翼の皆様のアイドルになりましたワタクシ。先の通常国会終盤では、野党を叱りつけて「恥を知れ」、なんてはしたないことを申しあげて存在感を誇示したばかり。本日は、第25回参議院議員通常選挙の政見放送の裏バージョンとして、安倍晋三自民党総裁に思う存分本音を語っていただきたいと存じます。よろしくお願いします。
安倍 表バージョンの政見放送の評判が散々でしたね。「キモい」「お前らこそ恥を知れ」と非難ゴウゴウでしたから、ここはひとつ、裏バージョンで巻き返さなくては。
三原 できが悪かったのは、シナリオとプロンプターに頼りすぎたからだと思うんです。確かに不自然な演技でしたから、今度はシナリオに頼らず、思うとおりに、本音を語ってください。
安倍 本音を語って、国民の信頼を得る自信はありませんが、右翼の皆さんには喝采してもらえるはず。できるだけやってみましょう。どうぞ。
三原 ところで総理。いま国際情勢は、トランプ大統領がこれまでの秩序を掻き回して、文字どおり激動のなかにあります。こうしたなかでGG20大阪サミットの議長を務められました。手応えはどうでしたか?
安倍 そう。問題はトランプ大統領なんですよ。『公正なルールが必要なんです』と大統領には申しあげたが、聞く耳を持たないからしょうがない。アタクシは精一杯、議長役を務めましたが、現実は厳しかった。とうとう『保護主義と闘う』という首脳宣言を作ることはできなかった。米中対決の構図の中で、日本の存在感が薄れてしまったことを否定しようもない。でもね、アタクシ個人としては、一人前に外交をやっている振りはできたと思うんです。だから、損はしなかった。
三原 そのトランプ大統領を大相撲に招待するなど、総理は蜜月ぶりを世界に存分に発信しておられますね。
安倍 大統領とは、深い関係にあるからこそ、何でも率直に言い合える仲なんです。だから、大統領はアタクシに、遠慮なく、イージス・アショアや、ステルス戦闘機を大量に買ってくれと言える。深い関係ですから、アタクシは断れない。アタクシも彼に、「農産物貿易交渉での裏取引は、参院選が終わるまでは秘密を守って発表しないでくれ」と率直に言える。もちろん快諾してもらいました。とてもよい関係なんです。この次は、日米安保条約の双務化への見直し。日米はさらに深い絆で結ばれるはずです。
三原 総理は、拉致問題にも熱心に取り組んでいらっしゃいますが、解決の見通しはいかがですか。
安倍 ずいぶん進展しました。トランプ大統領だけでなく、習近平主席からも、拉致問題について、金正恩委員長に、伝えていただきました。アタクシごときでは、どうせ直接には相手にしてもらえませんが、米中の首脳に、話を伝えていただけるようになったことは、大きな前進です。アタクシ自身、あらゆるチャンスを逃さないとの、考え方の上に、全力で取り組んでいく、決意です。
三原 政治は、結果責任だと言いますが、結果を出すためには、まず決意が必要ですから、力強い決意の表明、頼もしい限りです。
安倍 これまでもそうですが、外交のことですから、何をやっているか具体的なことはお話しできません。これまで同様、何度でも、力強い決意を語り続けようと思っています。
三原 令和の時代がはじまって2カ月ですが、ずいぶんと世の中に浸透していますね。元号の制定は大変な責任と重圧だったと思いますが、けっこううまくやったのではないですか。
安倍 アタクシも政治家です。改元は、しゃしゃり出るチャンスですよ。温和しく、ただ見ているわけにはいかない。天皇の政治利用だと苦情を言う人もいましたが、このせっかくのチャンスを逃す手はない。明治維新時の長州の先輩と同じ思いで同じことをしただけです。これまで骨折ってきた甲斐あって、マスコミは官邸の言いなりですから、結局はメディアを通じての印象操作の成功ですね。みごとに、国民世論をあたらしい元号を評価・歓迎の方向にもっていくことができて、ホッとしています。
三原 令和の時代にも安心できる、責任ある社会保障制度をつくることは、わたしたち政治家の責任ですが、一部の野党は大切な年金を政争の具にし、具体的な政策も示さないまま、ただただ不安を煽るだけの議論に終始していることは、大変残念に思っています。わたしたちだって、高齢者のみなさまの年金を少しでも増やしたいと思っています。しかし、そんな打ち出の小槌はあるのでしょうか。
安倍 誰もが、年金は増やしたいし負担は減らしたい。でも、そんな打ち出の小槌はありません。できもしないことを言うのは無責任。一番大切なのは、年金制度が破綻なく継続していくことです。そのためには、保険料は上げ、給付額は下げてもやむを得ない。富裕層や大企業から税金を取ればよいという安易な意見もありますが、それではまるで社会主義の政策ではありませんか。そんなことができるはずはありません。何よりも強調したいことは、経済成長が順調である限り、年金は大丈夫だということです。ご存じのとおり、集めた年金積立金は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じて、株式市場に投資し、債券を購入して運用していますから、株高が続く限りはご安心ください。もちろん、株式相場が下がったらたいへんなことになるわけですが。
三原 念のために伺いますが、アベノミクスのもとで、経済は順調なんですよね。経済が順調である限りは、株高が続いて運用益も確保されるんですよね。
安倍 もちろんです。経済指標は複雑ですから、素人目で一見しますと、破綻しているようにも見えますが、有能な財務官僚が上手にアベノミクスのもとで経済は順調と説明してくれています。アタクシは、それを受け売りしているだけですが、大丈夫です。皆さん、安心してください。
三原 今のお話しで、すこし心配になったんですが、本当に大丈夫なんですよね。
安倍 本当に大丈夫ですよ。でも、絶対かと言われれば、リスクがゼロとは言えません。株式のことですから、必ず運用益が確保できると断言はできません。
三原 そのときは、いったい誰が責任を取るのですか。
安倍 責任…と言われても、誰も責任の取りようはないわけです。それは国民の皆さんの選挙によって形作られた政府の政策ですから、国民のみんなに、広く薄く責任があるわけです。ですから、あきらめていただくほかありません。戦争について一億総ザンゲだったように。
三原 総理。私、心配になってきました。ホントに、ホントに大丈夫なのかしら。
(2019年7月12日)
澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2019.7.12より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=12948
ちきゅう座から転載
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