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2019年10月12日09時55分掲載
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ニュースウォッチ9が「慰安婦」問題を被害者の立場で伝えることになるのか注目だ Bark at Illusions
ニュースウォッチ9(19/10/4)は昨年ノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ氏のインタビューを放送した。ムクウェゲ氏は紛争が絶えないコンゴ民主共和国で、脅迫や暗殺未遂にあいながらも性暴力被害者の治療や救済に取り組んでいる医師だ。まさに命がけで活動を続けるムクウェゲ氏の言葉に、インタビューを行ったキャスターの有馬嘉男も心を動かされたようだ。
ムクウェゲ氏は、インタビューで
「世界中の女性たちが沈黙を破って語り始めているのは、とても良いことだと私は受け止めています。被害者が沈黙すれば性暴力は続きます。加害者たちは沈黙によって守られてきました。女性たちが沈黙を破ることで、恥ずべきなのは被害者ではなく加害者側なのだというふうに世間の考え方が変わってきているのです」 「無関心に立ち向かっていくことはとても重要なことだと思います。……こうした性暴力は、人として許せるはずのない災いであり、これに対抗するために人類は互いに手を携えていくことができる」
と語った。
そしてインタビューを終えた有馬嘉男は、
「ムクウェゲさんは、反発する勢力に何度も脅迫されたり、殺されそうになったこともあるんですね。でもそれにも負けずに闘い続けている。……私たちも無関心に対して立ち向かっていかなければと、今回、改めて感じました」
と決意を表明した。
果たしてキャスター・有馬嘉男に、日本軍による性暴力で苦しめられた「慰安婦」と呼ばれる人たちのことは念頭にあるだろうか。 多くの女性がアジア・太平洋戦争中に日本軍の性奴隷として強制労働を強いられた。彼女らも沈黙を破り、思い出したくない辛い過去を語って加害者の責任を追及している。彼女らの勇気は間違いなく、「恥ずべきなのは被害者ではなく加害者側なのだ」というふうに「世間の考え方」を変えることに貢献したが、大日本帝国による性奴隷の被害者は未だに救済されず、支援者とともに性暴力に「対抗」するために闘い続けている。そうした事実に有馬は気付いているか。
詳細は省くが、これまでのニュースウォッチ9は、他の主流のマスメディアと同じように、「慰安婦」問題については、「無関心」どころか加害者である日本政府の立場でニュースを伝えてきた(日刊ベリタ 18/1/2、18/11/27参照)。 番組のもう一人のキャスター・桑子真帆が「力強いメッセージ」と評したムクウェゲ氏の言葉を直に聞いた有馬嘉男とニュースウォッチ9の今後の「慰安婦」問題の伝え方に注目したい。
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