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2019年12月20日14時44分掲載
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文化
「桜を見る会」と道徳教育 根本行雄
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の問題は、この政権がほんとうに腹までどころか、骨まで腐っていることを明らかにしている。この政権が押し進めているのが道徳教育だ。しかし、国際的な学習到達度調査(PISA)の2018年の結果が公表され、日本の子どもたちが読解力がないこと、議論することができないことがわかった。この結果は、安倍政権とは無関係ではない。権力におもねる教員たちは、日常的に差別し、抑圧し、人権侵害を堂々と行っている。そのような教員たちによる道徳教育がどういうものになるか。日本は「亡国」の道を進ん
□ 「桜を見る会」
「桜を見る会」の問題は、「前夜祭」の問題、「首相枠」「60番」という推薦枠、「名簿の廃棄」の問題、「ジャパンライフ」の問題など。安倍政権がほんとうに腹までどころか、骨まで腐っていることを明らかにしている。
「桜を見る会」は国の公式行事であり、税金が使われている。そのような行事に、首相個人の支援者を多数招待したり、自民党議員の個人の支援者を多数招待したりしているとなると、政権維持のための、党利党略のための公金の流用であり、悪用であり、私物化である。
名簿の廃棄は、とても重要な問題である。民主主義の根幹をなす問題である。公文書管理法の1条はこううたっている。 「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」である。 公文書は、主権者である国民のものである。過去と現在の政治についてチェックするとき、公文書が必要となるのだ。敗戦時、日本軍が公文書を破棄し、証拠を隠滅したように、安倍政権は証拠を破棄し、隠滅しているのだ。
□ 道徳教育
安倍政権は、憲法を順守しない。国会を軽視する三権分立の破壊。平和主義の否定。基本的人権の軽視。主権者である国民をだましている。安倍政権は日本国憲法を骨付きにしている。この政権がもくろんでいるのは、日本を「戦争のできる国」にするための憲法改正(改憲)である。
道徳は、2018年度から小学校で、そして2019年度からは中学校でも教科化される。この道徳教育の教科化は、安倍政権の政策である。その意図は明白である。
近年のわが国では、安倍晋三首相の自民党政権が続いている。これまで、自民党政権は、戦後ずっと、「解釈改憲」という手法で、憲法の中身を骨抜きにしてきた。自衛隊を「軍隊」ではないと誤魔化しつづけ、日本は今では世界有数の「軍事大国」の一つとなっている。そして、とうとう、2015年9月には「安全保障関連法」を成立させた。この法律は、憲法が禁じる武力行使に当たるとしてこれまで認めていなかった集団的自衛権の行使を可能にするものであり、他国軍への後方支援や国際協力活動などで自衛隊の任務を大幅に拡大するものである。安倍政権は、「解釈改憲」ではなく「明文改憲」を目指している。
日の丸・君が代は政府によってなし崩し的に復権が進められてきている。それは日本全国の小中学校の入学式、卒業式において容易に確認できることである。戦前の「教育勅語」や、「日の丸・君が代」が復権されつつある。「建国記念の日」の制定、1966年。元号法は、1979年。1999年(平成11年)に成立した「国旗・国歌法」。こういうふうに経年的に並べると、この「右傾化」は容易に理解できるだろう。「滅私奉公」国のために死ぬ人間を育てる「皇民化教育」が押し進められている。
現在でも、東京都をはじめとして、国旗・国歌法を正当化に利用し、「日の丸・君が代」に反対する教師を差別し、抑圧し、人権侵害を堂々と行っている。法律を作り、支配の正当化と人権侵害の正当化に利用する。それが自民党政権の常套手段である。「明治憲法」下とは異なり、現在では、児童や生徒に直接に、愛国心教育をすることは難しい。だからこそ、権力におもねる教員たちを利用し、入学式や卒業式などで「日の丸・君が代」を利用して、刷り込みを狙っているのである。国会において、政府の答弁とは異なり、教育現場での日の丸掲揚は着々として進められているのである。
安倍政権がもくろんでいるのは、日本を「戦争のできる国」にすることである。
権力におもねる教員たちは、「日の丸・君が代」に反対する教師を差別し、抑圧し、人権侵害を堂々と行っている。そのような教員たちによる道徳教育がどういうものになるか。
□ PISA
経済協力開発機構(OECD)は、12月3日、加盟国などの15歳を対象に3年に1度実施する国際的な学習到達度調査(PISA)の2018年の結果を公表した。
今回の調査はOECD非加盟国・地域を加えた79カ国・地域の約60万人の生徒が参加した。日本は昨年6〜8月、無作為に抽出された全国の国公私立高など(183校)の1年生約6100人が受けた。
日本の平均得点は数学的リテラシー(応用力)が527点で6位(前回532点・5位)、科学的リテラシーが529点で5位(前回538点・2位)だった。読解力は504点とOECD平均(487点)を上回ったものの前回の516点から大幅に下がった。 前回(15年)の8位から15位に急落した。
読解力がない、議論することができないのは、子どもたちではない。権力におもねる教員たちである。彼らは、日常的に、管理職と一般教員、教師同士、教師と生徒、生徒同士、差別し、抑圧し、人権侵害を堂々と行っているのだ。だから、いじめはなくならない。いじめを見逃す。責任逃れをする。そのような教員たちに道徳教育ができるはずがない。安倍政権と同様に、腹までどころか、骨まで腐っているからだ。日本は「亡国」の道を突き進んでいる。
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