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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2019年12月31日20時15分掲載
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コラム
30年間続けた英字新聞の定期購読をやめて
最近の企業経営者の中にはファンの心が読めなくなった人が多いように感じる。いまだに首相と会食を続ける日本の新聞社の幹部たちがそうだが、残念なことで言えば、編集スタンスの異なるジャパンタイムズとセットで購入させるニューヨークタイムズ国際版(紙版)もそうだ。新聞を手にして読む読者の心から遠く離れている。おかげで30年間、取り続けた英字新聞の購入をとうとうやめることになった。新聞と言えば紙、という思いがあったのに残念だ。
英字新聞を読み始めた1985年ごろは日本にアメリカの新聞コラムニストがたくさん紹介された時代だった。彼らのコラムをまとめたものが翻訳されて単行本で売り出された。「アメリカン・ビート」や「チーズバーガーズ」のボブ・グリーンが先鞭をつけた記憶があるけれど、彼以外のもたくさん紹介された。「ジャーナリストはなぜ疑い深いか」のロジャー・サイモンもグリーンと同じで、シカゴのコラムニストだ。同じく辛口コラムのマイク・ロイコもシカゴのコラムニストだった。なぜかコラムニストで勢いがあったのはシカゴの書き手たちだった。ある意味で社会面の記事でもあるが、ある意味で文学でもあった。それを読むことで毎日毎日の生活に何か灯がともるような感じがあったと思う。
英字新聞を読む動機にアメリカのコラムに直接、紙で接したい、という思いがあったのだ。もちろん当時はそもそもインターネットなどなかった。コラムが持つパワーは今日の比ではなかったような気がする。根底には新聞への敬意と愛があった。なぜあの頃、コラムが脚光を浴びたのだろうか。コラムは新聞記事の定型に縛られなくてもよかったし、社会的事象を扱ったとしても個人の思いを打ち出すことができた。コラムニストたちは裸で読者に向き合っていた。会社を背負うと言うよりも、一人の人間として書いていたのだと思う。喜怒哀楽があり、不正への怒りがあり、弱者に寄り添う心があった。そこに読者は自分の思いを重ね合わせていた。だから、英字新聞を選ぶとき、どの新聞にどのコラムニストが掲載されているかが大きなポイントだった。
編集スタンスの異なる新聞を合わせて無理やり買わせる、というニューヨークタイムズの今日の宅配での販売方針は読者の生活のデテールを軽視している気がする。庶民と近かったかつてのアメリカのコラムニストたちなら、とても強く怒っていたはずだ。
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日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
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シカゴトリビューンのマイク・ロイコのコラムの切り抜き帳。僕の英字新聞購読の原点がこれだ。1980年代の大学時代のもの。
一番尊敬したコラムニストがシカゴのマイク・ロイコだった。市政の腐敗や偽善とペンで闘った。





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