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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2020年03月16日20時31分掲載
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Hanako COOKING BOOK 「ちゃんと作れる和食 〜和食の本当の味、忘れていませんか。〜」
Hanako COOKING BOOK 「ちゃんと作れる和食〜和食の本当の味、忘れていませんか。〜」。これは本と雑誌の中間にあるような、版元のマガジンハウスは「ムック」としていますが、写真の多い上質の紙を使った和食の解説書です。味噌汁のだしの取り方や包丁の使い方もありますが、筑前煮、サバの味噌煮、めばるの姿煮、天ぷら、あじのひと塩干し、牛肉とごぼうの当座煮、おでん、鶏の竜田揚げ、鶏の照り焼き、ぬか漬け、真鯛の刺身、きんぴらごぼう、江戸厚焼き卵、親子丼、大根とぶりのあら煮、五目炊き込みごはん、鯖の棒ずしなど、一通り和食のメニューが取り上げられています。解説は金茶流の柳原一成氏です。
自ら料理教室を運営している柳原氏がよくここまでコツを披露したものだな、と思うくらい丁寧に作られていて、料理1つあたり10数枚のカラー写真が掲載されています。ちょっとしたことでも、なぜそうするのか、という考え方がところどころ記されているのが魅力でしょう。なぜそういう作業をするのか、なぜこの食材なのか、というところで説得力があると読んで勉強した、という満足度を高めてくれます。最初のメニューである筑前煮の作り方で、砂糖、塩、酢、しょうゆ、味噌という(「さしすせそ」)調味料を入れる順番について解説がありますが、そういうちょっとした知識がありがたい。取材・文は齋藤優子とあり、この人の編集力、取材力がこの素晴らしい料理の本を作り上げたのだな、と感じさせられます。
この本が書店に並んだのは2000年の5月で、僕はその頃、すぐに買ったのを記憶しています。とはいえ、20年間、書棚に置いていただけで実際に作ってみたことはありませんでした。というのも、料理をするのに適したキッチンのある住宅に住んでいなかったため、作ろうにも作れなかったのです。その間、何回か、手持ちの資料や本を大量に処分する羽目になりましたが、本書は常に手元に残りました。最近、転居して料理ができるスペースができたので、20年間の「待ち」を経て、今、本書をようやくひも解いて試作しています。ありがたいのは、何百年と続いてきた伝統料理なので20年などは一瞬でしかなく、料理の解説に支障がまったくないであろうこと。それと、日本の料理の解説書は、いつも感じることですが、基本的にハイレベルで丁寧な作業が行われていることです。
村上良太
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