いま、1年がかりで取り組んだフランスの哲学関係の翻訳の仕事が終わったばかりです。それで最近、コツコツ読んでいるのが久松健一著「フランス語 動詞宝典 308(初・中級編)」と「フランス語 動詞宝典 466(中・上級編)」の2冊。普通なら、こうした本は学生時代に暗記して、満を持して翻訳に取り組む・・・という順序が筋かもしれませんが、筆者の場合は真逆で、翻訳に取り組んでみてから、動詞の単語力倍増が今後の課題だと思わされた次第なのです。というのも辞書で引いた動詞の多くがこれら2冊に例文と活用表つきで掲載されていたからです。最初からこれをやっていたなら、辞書を引く必要もなかったのです。
スペイン語であれ、イタリア語であれ、フランス語であれラテン語系統の欧州言語は基本的に動詞の活用が学習の肝だと、早大のスペイン語の教授が書いていましたが、本書もそうした発想に基づき、動詞だけに特化した参考書になっています。嬉しいのは例文がいくつかそれぞれ単語ごとに掲載されているので暗記すれば応用力がつくであろうことです。大学時代に英語の先生から、難しい構文は覚える必要なし、むしろ短い簡単な例文をたくさん暗記したら、英語は必ずできるようになりますと教えられたことがありましたが、本書の例文はまさにその発想です。ですから、本当に実践を意識した本になっています。あえて言えば「腕力系」参考書と言えるでしょう。腕力をつけるために買って読む本であります。大学のフランス語の講義で手にするテキストに掲載されている動詞は本当にごくごくわずか。これが筆者の腕力のなさの原因です。著者の久松氏によると昔は動詞の活用だけを集中的にやる講義のコマがあったのだそうです。
泥棒をとらえて縄を編む。筆者は55歳のオジサンですが、単語を覚えるのに15歳も20歳も55歳も関係しません。口に出し、紙に書いて、繰り返すのみです。ライバルは20歳前後の仏文科の学生たちです。(一昨年、日仏会館のフランス語弁論大会上級部門の決勝で大学生たちに完敗しました。フランス留学経験者も少なくなかったからですが・・・)こうして若いもんたちに負けないように日々取り組んでいます。
■マチュー・ポット=ボンヌヴィル著 「もう一度・・・やり直しのための思索」
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■フランスの口頭試問
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201903140134154
■ニュースの三角測量 その2
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201612151601554
■フランスの哲学者マチュー・ポット=ボンヌヴィル氏のエッセイ集「もう一度・・・やり直しのための思索」を刊行します
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202004071015382
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