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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2020年04月18日21時20分掲載
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国際
人権団体アムネスティがキャンペーン 新型コロナウイルスと人権:分断ではなく、団結の時
世界に蔓延する新型コロナウイルス感染症が各地で人権侵害を生んでいる。各国政府による人権の制限、差別と憎悪の発生などだ。国際人権団体アムネスティアムネスティは「人権を守ることが、コロナ危機を乗り切ることにつながる」として、こうした状況に警告を発している。(大野和興)
以下、アムネスティ国際委員会のメッセージーー
人権を守ることが、コロナ危機を乗り切ることにつながる 新型コロナウイルス感染症拡大への各国政府の対応は、数百万人の人権に影響します。
世界が新型コロナウイルスで未曾有の危機にある中、アムネスティは、危機に対する各国の取り組みを注意深く見てきました。まず忘れてはならないのは、非常時だからといって人権を守るための法律がなくなるわけではありません。それどころか、こうした法律は、私たちが共にこの難局を乗り切る上で大きな意味を持つのです。
コロナ危機の中、人権はどのように私たちを守ることができるでしょうか。パンデミックにおける国の義務とは何なのでしょうか。
◆健康に対する権利
ほとんどの国は、健康に対する権利の保障を義務付ける人権条約に少なくとも一つは加盟しており、病気の予防、治療、抑制に必要なあらゆる措置を講ずる義務があります。現在の感染拡大の中では、予防的ケア、商品、サービスを、誰もが利用できるようにしなければならないのです。
香港は、新型コロナウイルス感染拡大が早くに確認された地域ですが、地元のNGOによれば、低所得者層の7割近くが、マスクや消毒剤など国が推奨する感染予防品を購入する余裕がなかったそうです。国が市民に対し、「これを揃えておいてください」と勧めるのであれば、市民全員がその品物を入手できるようにしておかなければなりません。
必要な情報を入手できるかは、健康に対する権利の重要な要素ですが、多くの国でこの点が蔑ろにされているのが現状です。
昨年12月、新型コロナウイルスが初めて報告された中国湖北省の武漢市では、呼吸器症状を示す複数の患者がいることに懸念を抱いた医師たちが、注意喚起をしました。しかし、そのすぐ後、警察当局に「デマを流した」として処分が下されてしまいます。
一方で、インドのジャンムー・カシミール州は、これまでもインターネットの利用制限下に置かれてきましたが、新型コロナウイルス感染拡大の中でもその制限が続いています。そのため市民は、感染状況や対処法などの情報を得ることが非常に困難になっています。
誰にでも、ウイルスの脅威やリスク軽減策、進行中の対策などについて知る権利があります。この権利が保障されなければ、公衆衛生の対応が弱体化し、すべての人の健康を危険にさらすことになります。
◆働く権利・職場での権利
感染流行の影響で、個人や経済全体に甚大な影響が出始めていますが、雇用が不安定な労働者は、その影響をさらに受けやすくなります。
移住労働者、日雇い労働者、インターネットを通じて単発の仕事をしている人、公式な統計には表れてこない労働者などは、働く権利、職場での権利が脅かされる可能性が高くなります。
政府は、ウイルス感染で働けなくなった人が疾病手当、ヘルスケア、育児休暇などの社会的保障を受けられるようにしなければならなりません。これらの対応は、国が実施している公衆衛生対策に市民の理解を得る上でも欠かせません。
医療従事者は、自身や家族が感染するリスクがある中で、コロナ危機の最前線で闘っています。医療従事者をどう守るかも、国の重要な課題です。感染防止に有効な保護具、情報、研修、心理的・社会的支援などを提供することが必要です。刑務所など多人数と接し、感染リスクが高い職場でも同様です。
◆住宅・水・衛生の権利
ホームレスや法的権利のない居住地で生活している人にとって、自らを隔離したり人との距離を維持するなどの感染防止対策を取ることは、不可能ではないとしても、非常に難しいことです。
新型コロナウイルス危機で、適切な住宅、水、衛生設備に対する権利の重要性に、あらためて気づかされることになりました。こうした権利は、ウイルスから身を守り、ウイルスのまん延を食い止め、日常を取り戻す上で欠かせません。
政府は少なくとも、路上で暮らす子どもたちやホームレスのために、緊急避難的に自身を隔離して感染から守る宿泊施設を確保すべきです。
また、例えば、家賃やローンを払えずに家を追い出されるなど、住居がないために感染リスクが高くなるような事態への対応策も求められます。
さらに、ホームレスや貧弱な住居に住む人が利用できる、手頃な価格の安全な水や衛生施設を早急に提供しなければなりません。
◆特定の集団への影響
新型コロナウィルスは誰にでも感染するリスクがありますが、高齢者や基礎疾患を持つ人などは、重症化や死亡の危険性が高いといわれています。また、貧困家庭の人、障がい者、移民や庇護希望者を含む拘禁されている人たちなど社会から追いやられた人にも、感染から身を守り、医療を受ける上で、別の壁が立ちはだかる傾向にあります。
新型コロナウイルスへの対策を立案する上で、国は、上に挙げたような特定の集団が置かれている状況と要望を十二分に考慮する必要があります。
◆差別・偏見
報道によると、武漢市出身者は、中国各地で差別や嫌がらせを受けているといいます。宿泊を拒否されたり、自宅の前に障害物を置かれたり、インターネットで個人情報をさらされたりしています。
◆分断ではなく、団結の時
米国トランプ大統領が新型コロナウィルスを「中国ウイルス」と繰り返し呼ぶなど、いろいろな国で、中国人はじめアジア各国の人に対する外国人嫌悪が広がっています。ロンドンでは、シンガポールの留学生が人種差別的な扱いを受け、激しい暴行を受けました。いかなる差別も、弁明の余地はありません。すべての国は、人種差別主義的対応を決して許してはならないのです。
一方、トランプ大統領は、ウイルス危機を利用して、人種差別や差別的な政策を正当化しています。メキシコからの庇護希望者の入国を全面的に禁止するとも報じられています。
あからさまな庇護希望者の排除は、米国の国内外の法的義務に反し、安全を求める人びとを悪者扱いするものです。2018年にも同様の禁止令が出されましたが、正当性を争ったすべての裁判で、すみやかに違法判決が下されています。
また、公衆衛生上の危機に際しては、国は、人びとの健康を守る行動を取り、誰もが差別なく医療を受けられるようにし、安全を保障しなければなりません。在留資格の有無とは関係なく、出入国する人に対しても同様です。
国境を越えた連帯と協力なくして、新型コロナウイルスと闘うことはできません。新型コロナウイルスが私たちを団結させることはあっても、分断させてはならないのです。
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