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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2020年08月05日14時42分掲載
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PCR検査拡充の動きに水をかけるNHK Bark at Illusions
新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐためには、徹底したPCR検査が欠かせない。検査によって感染者を発見して隔離・治療を行う。これは国際的な共通認識であり、新型ウィルスの脅威に直面している現在、専門家でなくても理解できることだろう。ところが日本の “公共放送”NHKは、視聴者にPCR検査の拡充が重要ではないかのような印象を与えている。
ニュース7(20/7/28)は、日本商工会議所がPCR検査の支援を求める要望書を政府に提出したことや、自前で検査体制を整える企業があることなどを伝えた後、サブキャスターの上原光紀が、
「ただPCR検査を巡るこうした企業の動きに、専門家は次のようにくぎを刺します」
と述べて、国際医療福祉大学・和田耕治教授の次のようなコメントでニュースを終える。
「陰性だからといって、その方が本当に感染していないかどうかっていうのは、少しまた話が変わってくる。例えば、今日検査の結果をもらったとしても、明日はどうなるかわからない……陰性であるという結果が得られたとしても、基本的な感染対策はしっかりとやっていただく必要があります」
ニュースウオッチ9(20/7/28)も同様に、日本商工会議所の要望や検査体制を独自に整える企業の動きなど、経済活動のためにPCR検査の拡充を求める声が出ていることを紹介した後、前出の和田耕治教授のコメントを紹介。
「検査が陰性であるといった事では、その方が感染をしていないというような証明にはならず、今日検査の結果をもらったとしても明日どうなるかわからない……つきつめていくと、毎日やるんですかというような話にもなりえる。症状がないという状態であれば……マイナス(陰性)という結果を持つことの意義がどこにあるのかといったことは、今後さらに考えなければいけない」
そして、2人のキャスターがそれぞれ、
和久田麻由子:「PCR検査は完璧ではないということですから、この陰性の結果が油断につながらないようにしたいですね」 有馬嘉男:「そうなると元も子もないですし、陰性証明という言葉が独り歩きしないようにしたほうがいいなと思いました。ただ企業としますと、相手国から求められる以上、その検査結果は出さざるを得ないというのが実態ですよね。検査体制がもっと強化されないと経済は回っていかない。国際ビジネスから落ちこぼれてしまうというのが企業の本音ということでしょうか」
と述べてニュースを終えている。
陰性であっても感染防止対策を怠るなという和田耕治教授の最初の指摘はもっともだが、だからといってPCR検査が重要ではないということにはならない。充実した検査が行われなければ、状況を把握することもできず、必要な対策を打つこともできないのではないか。翌日のニュースウオッチ9(20/7/29)で有馬嘉男は、
「専門家は日々の数字に囚われるのではなく、全体の傾向を捉えることが重要だと指摘します」、 「日々のニュースに驚くことも戸惑うこともあると思うんですけれども、私たちはデータを正確に読み解いていかなければいけません。正しく恐れるということですね」
などと述べているが、十分な検査も行わずにどうやって「全体の傾向」を捉えたり「データを正確に読み解」いたりすることができるのだろう。
日本のPCR検査数は極めて少なく(7月31日現在、世界第157位)、PCR検査の拡充を求める声は経済界だけにとどまらない。感染者が急増する中、PCR検査拡充を求める声が強まっている今この時に、わざわざPCR検査拡充の動きに疑問を呈するような放送をするというのは、やはり対策を怠っている安倍政権を擁護するためだろうか。
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