・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・教育
・文化
・アジア
・国際
・入管
・中国
・市民活動
・米国
・欧州
・みる・よむ・きく
・核・原子力
・検証・メディア
・反戦・平和
・外国人労働者
・司法
・国際
・農と食
・イスラエル/パレスチナ
・市民活動告知板
・人権/反差別/司法
・沖縄/日米安保
・難民
・医療/健康
・環境
・中東
提携・契約メディア
・AIニュース
・司法
・マニラ新聞
・TUP速報
・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus
・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2024年11月21日
・2024年11月20日
・2024年11月18日
・2024年11月17日
・2024年11月16日
・2024年11月15日
・2024年11月14日
・2024年11月13日
・2024年11月12日
・2024年11月11日
|
|
2020年12月01日18時14分掲載
無料記事
印刷用
欧州
コロナウィルス第2波で、どうなるのかクリスマス 〜チャオ!イタリア通信
10月に入り、イタリアにもコロナウィルスの第2波がやってきました。9月14日に学校が始まった時点では、新規感染者数はまだ1,008名でしたが、その一か月後には7,332名、首相令が出た11月3日には28,244名と一気に増えました。11月上旬、新規感染者は40,902名となり、11月3日の首相令で、イタリアは3つのゾーンに区分されることになりました。感染者が多く危険度が高い順から、レッド、オレンジ、イエローの三つのゾーンで、主に州で区分けされています。
私が住むトスカーナ州は、11月3日はイエローゾーンでしたが、11月13日にはあっという間にレッドゾーンになってしまいました。レッドゾーンでは、ロックダウン状態になります。今年の3月や4月ほどではないものの、自分の住む町からは仕事、勉学、健康上の理由以外では出ることができません。コムーネを出る場合も自己宣誓書を持参していないと罰金を取られますし、持参していてもコントロールにあったら、自分が行くところに警察から確認の連絡が入るようになっています。学校は、幼稚園から中学校1年生までは登園・登校して対面で授業を受けられますが、それ以上の学年はオンライン授業です。また、生徒は学校に行っても、毎日体温を測られ、学校にいる間はマスク着用が必須となります。
私の娘が学校に居る時にお腹が少し痛くなった際は、すぐに熱を測られ、37度の熱でも家に帰されてしまいました。6歳児にとって、37度の熱は平熱の範囲だと思うのですが。一人でもコロナウィルス感染者が現れると、クラスメイトとその家族が検査対象となり、クラス自体が閉鎖となってしまうため、大げさではありますが、今の現状では仕方ない対応なのかもしれません。こういう話は、方々から聞かされます。私の知り合いのお母さんも、発熱はしていないものの、娘さんが風邪で咳をしていたため、コロナウィルスの検査を受けさせられたと話していました。幸いにも、その娘さんの検査結果は陰性だったので、大事には至りませんでした。
また他のお母さんは、娘さんが熱を出した際に、即コロナウィルスの検査を受けさせられました。念のため、その弟さんもお姉さんの検査結果が出るまで学校を休んだのですが、証明書を学校に提出する必要があるため、医師に問い合わせをしたところ、弟さんもコロナウィルスの検査を受けることになりました。結局、お姉さんも弟さんも陰性だったのですが、このような話を聞くと、なんでもかんでもコロナウィルスの検査をしている印象を受けます。これについては、原因として保健所で感染者を把握しきれていないという状況があったようです。
私が働く日本語学校でも、生徒さんの一人がコロナウィルスに罹りました。保健所は、感染が判明してから48時間以内の接触者を追跡しなければいけないのですが、その生徒さんの家族いわく、そういう質問を全く受けなかったということです。検査を受けるはずの者を取りこぼすと、感染者を逃してしまうことに繋がり、感染を広げる原因となります。感染した生徒と一緒に授業を受けていた私の同僚は、結局1週間後ぐらいに生徒の感染を知り、自費で検査を受けていました。保健所から連絡があれば検査が無料になるところ、連絡がなかったことから自費で75ユーロ(約8000円)を支払う羽目になりました。日本語学校についても、検査結果が出るまで1週間ほど休校にせざるを得ませんでした。同僚は、私の子どもにも日本語を教えていたため、私自身もかなり焦りました。同僚が陽性であれば、私の家族も全員検査を受けなければいけなかったのですが、幸運にも陰性であったため、家族みんなで安心しました。この一件で、感染者が一人判明すると、多くの人が巻き込まれることを改めて実感しました。
先日、テレビでロックダウン中に女性に対する暴力・殺人が増加したという報道を見ました。EURES(ヨーロッパ雇用サービス)の統計によると、2020年の1月から10月の間における女性に対する暴力・殺人の件数は91件で、3日に1人の割合で被害者が発生しているということになります。その内の67.5%は同居人による殺害で、これは2019年の57.6%を上回っています。実際、今年3月から6月のロックダウン中の犠牲者数は26名中21名が同居人によるものでした。イタリアに住んでから、この話題をよく耳にするのですが、状況がよくなる兆しが見られません。ロックダウンにより経済が悪化したことで、働き方が変化したことも原因となっている可能性があります。
今年最初のロックダウンにより、自宅待機状態の労働者が700%以上増えたという統計結果を見ました。私の夫のいとこも自宅で仕事をするようになり、給料が半分近く減ったという話を聞きます。フィレンツェの街を歩いていても、これまで旅行者がこれほどいない事はありませんでした。いつもであれば、特に中心地である大聖堂付近は旅行者で溢れ返り、歩くのも大変でした。今年は本当に寂しい限りです。
私の住むトスカーナ州は、2週間のロックダウンの成果が出たのか、最近は新規感染者数が1000名以下にまで減少しました。最高で約2700名発生していた新規感染者がここまで減少したことで、少しだけ明るい兆しが見えてきたように感じます。ここ数日は、トスカーナ州知事が「いつオレンジゾーンになるのか。クリスマス前にはイエローゾーンにするのが目的だ」などと発言する報道が続いています。12月6日にはオレンジゾーンに戻ることが確定したようですが、この決定で市民の気が緩み感染者が再び増えると、どうなるかわからないですね。先が見えない状況というのは、本当に精神的につらいものがあります。子どもたちが元気に登校してくれていることが、私の心の支えになっています。
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
3つのゾーン
|