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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2021年05月03日16時11分掲載
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欧州
続くコロナウィルスーーワクチン接種の状況ーーチャオ!イタリア通信
イタリアでは、昨年12月27日からコロナウィルスのワクチン接種が始まった。4月26日時点で約1800万のワクチンが接種され、約5万2千人が2回の接種を終了している。私の義理の両親も先日1回目の接種をして、2回目は6月にすることになっている。義理の父は、英国製のアストラゼネカのワクチンで、義理の母は持病があるためファイザーのワクチンを受けた。二人とも、特に副作用もなく元気に過ごしており、一安心。無事に2回目のワクチンも終了してほしいと思う。
ヨーロッパでは、アストラゼネカのワクチンによる副作用なのか、ワクチン接種後に亡くなった人のニュースがあり、不安が広がった。統計を取ったわけではないが、私の印象では亡くなった人はおおむね30代から50代の若い世代だった。死因としてあげられているのは、血栓症の症状である。血栓症は突然発症することもあるため、ワクチンとの関係が不明なようだ。ただ、欧州医薬品庁(EMA)やイタリア医薬品庁(AIFA)は、アストラゼネカのワクチンは問題ないと発表しているが、ドイツ、ベルギー、フランス、スペインがアストラゼネカ製ワクチンを60歳以上に接種するように勧告を出したことを受けて、イタリア政府もそれにならっている。また、ジョンソン&ジョンソンのワクチンも60歳以上への接種が推奨されている。
私がプライベートで日本語を教えている30代のイタリア人は、公立高校教師であり、すでに2月にはアストラゼネカ製のワクチンを接種した。まだ問題が出る前にアストラゼネカのワクチンを接種したのだが、次の日に熱が出たそうだ。5月には2回目の接種を受けることになっている。イタリアでも、医療従事者からワクチン接種が始まり、その後公務員、80歳以上、70歳以上と順次ワクチン接種が行われている。彼の奥さんは、医者で彼より先にファイザーを接種したと聞いた。その彼から、ワクチン接種の状況を時々聞くのだが、例えば、ワクチン接種が始まった2月には奥さんはワクチン接種のため毎日12時間ぐらい働いているとか。一人で200人に電話をかけなければならないと言っていた。ノルマが課せられているようだ。そして、先日彼から連絡があり、奥さんのワクチン接種の仕事を手伝うために日本語のレッスンの日を代えてほしいと言うのだ。ワクチン接種する時に、事務の仕事をする人がいなくて、それを手伝わないといけないからと言う。次の週には、事務の仕事をする人が見つかったと言っていたが。現場で働く人が不足しているという証明だ。
今、毎日のようにニュース番組では接種の状況が報道されている。イタリアでは「キャンペーン」という言葉を使って、接種を広めていっている。あるテレビ番組では、小さな村のワクチン接種の様子を放送していた。イタリアには「ミゼリコルディア」と呼ばれる、ボランティアによる医療活動があるが、そのボランティアたちが村の高齢者たちの家を一軒一軒回ってワクチン接種を行っていた。ワクチン接種は、病院だけでなくコンサート会場や体育館など広い場所を使って行われている。特に、保健省から連絡が来るわけではなく、テレビやラジオのニュースで今日から80歳以上のワクチン接種が始まるという知らせを聞いたら、州のサイトを通して自分で予約を取るというシステムだ。私の義理の母は持病があったので、保健所から連絡が入った。また、すべての都市ではないが、市によっては予約なしでワクチン接種会場に直接行ってワクチンを受けるというシステムを取っているところもある。現在は、70歳代のワクチンが行われている。
4月26日時点での新規感染者16539人、死亡者301人とロックダウンが始まった昨年の3月4月には死亡者が800人から700人だったので、それを考えると死亡者が少なくなったとはいえ、昨年の冬から死亡者の数が400人から300人で減っていないのが、このウィルスの怖さを物語っている。昨年の11月からイタリア政府はイタリア全国をウィルスの危険度によって3色に色分けするようになった。一番危険度が高いのがレッドゾーン、その次がオレンジゾーン、一番危険度が低いのがイエローゾーンだ。イエローゾーンだと、レストランやバールでも飲食できるようになる。オレンジゾーンやレッドゾーンだとレストランやバールはテイクアウトのみだ。昨年の全国的なロックダウンの時は、すべて営業停止となっていたが。また、色分け政策も内容が変化してきている。以前はレッドゾーンは中学校2年生以上はオンライン授業と決められていたが、親たちの抗議が強く今はレッドゾーンも学校はほぼ100%が教室での授業が行われるようになっている。以前はイエローゾーンはレストランとバールの中での飲食OKだったのが、今は屋外の飲食のみOKとなっている。やはり屋内での飲食が一番感染の危険があるからだ。イエローゾーンで、レストランやバールを開けたら感染者数が増えたという状況から、学習しているということだろう。私が住むトスカーナ州もここ数か月でイエローゾーンからオレンジゾーン、レッドゾーンになり、またオレンジゾーン、今はイエローゾーンとなっている。
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ワクチン接種会場
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