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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2022年07月16日11時52分掲載
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ウラ東アジア共同体と「女性たちのフランス革命」(クリスティーヌ・ル・ボゼック著)
安倍首相暗殺事件と統一教会の関係のニュースを見ながら感じたのは国際ニュースの二分法(中国VS米国を中心とした資本主義陣営)とは違った視点から東アジアを見ることはできるんだな、ということでした。それは韓国の反共カルト宗教組織・統一教会(現在の世界平和統一家庭連合)と自民党の支持母体の1つであり、安倍首相の背後にあった日本会議が、いずれも男尊女卑的な家父長制を保守することに思想的な核があったことでした。その原点は中国の儒教思想という案外、古い思想でしょう。そういう風に見ると、中国と韓国・北朝鮮と日本はウラ東アジア共同体とも言うべき、家父長制社会で固く結束した同盟国群といってよいと思います。戦後に女性に与えすぎた諸権利を奪い返す、ということがその根底にあると思われます。
さて今年、フランスの歴史学者クリスティーヌ・ル・ボゼック著「女性たちのフランス革命」(藤原翔太訳)が慶應義塾大学出版会から翻訳出版されました。これは自由・平等・友愛を旗に掲げたフランス革命で女性が政治に目覚めながらも、女性の参政権は1944年まで獲得できなかったことの隙間に何があったのかに迫った書です。フランス革命の際、奴隷制が一度は廃止されながらもナポレオンの反動で最終的な奴隷制廃止が1848年の2月革命まで待たねばならなかったことと同様に、男性の普通選挙が1848年の2月革命で実現したのに対して、女性の参政権獲得もまた、ナチからの解放後の1944年まで待たなくてはなりませんでした。しかし、ル・ボゼックはだからと言ってフランス革命を負にとらえるのではなく、フランス革命で目覚めた女性の意識は実際に女性の権利の拡大へとつながっていったことを示しています。つまり、過去数千年間の家父長制社会の縛りはフランス革命が起きてもすぐには解消されえなかったことを示しています。しかしながら、参政権が得られない間も女性たちは作家的活動や研究活動、その他の様々な活動を通して次なる社会を準備していったことがうかがえます。本書の最大の特徴は、フランス革命の英雄や有名な革命家だけでなく、無名な女性たちがどう生きたかを、様々な制度の説明をしながらひも解いていることです。
ウラ東アジア共同体について考える際の貴重な手がかりにもなる書でしょう。おそらく東アジアの平和と繁栄を実際に作り出すためには、これまでの男目線の地政学ではまったく不可能だろうと思います。
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