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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2022年10月01日20時09分掲載
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アジア
ミャンマーのNUGって何? NUG駐日代表事務所・ソーバラティン代表に聞いてみた
2021年2月1日未明、ミャンマー国軍は突如、軍事クーデターを強行。多くのミャンマー市民が国軍による虐殺、拷問に苦しむ中、「国民民主連盟」(NLD)の議員など民主派勢力は同年4月、国軍の暴挙に対抗するため、「国民統一政府」(NUG)を樹立。その1ヶ月後には、独自の防衛部隊「人民防衛隊」(PDF)を組織し、国軍の蛮行からミャンマー市民の命を守っている。NUGは、国際社会から国軍を孤立させるため、日本を含む世界各地に拠点を置き、独自の外交活動を展開している。今回は、NUG駐日代表事務所のソーバラティン代表にお話を聞くことができた。
Q.まずはNUG駐日代表事務所が設立された経緯などについて教えていただけますか。
NUG駐日代表事務所は2022年2月1日に設立されました。その後、7月31日にようやく事務所を開設し、ミャンマー本国と連携しながら本格的な活動をスタートさせています。 また、駐日代表事務所を設立するにあたり、「駐日代表を誰にするか」、さまざまな議論が交わされました。そうした中、ミャンマー本国のNUGや在日ミャンマー人などから私を推薦する声がありました。「ソーバラティンならNUGと日本政府の架け橋になってくれる」、そういった期待の声を受け、私は代表に就任しました。 ちなみに、NUGは日本以外に、韓国、オーストラリア、インド、フランス、ノルウェー、イギリス、チェコにも代表事務所を置いています。私たちは毎週、オンライン会議を開き、ミャンマー情勢に関するさまざまな問題について情報交換を行っています。
Q. ソーバラティン代表が来日したきっかけは何だったんでしょうか。
ミャンマーでは1988年に大規模な民主化運動が巻き起こり、国軍による暴力から逃れるため、90年以降、多くのミャンマー人たちは日本をはじめアメリカ、カナダ、オーストラリアなど世界40カ国に逃れました。私もそうした流れの中、1992年に来日しました。私は来日後、私と同じカレン民族を支援する団体を設立するなど、在日ミャンマー人支援に尽力しました。
Q. 代表はカレン民族ということですが、カレン州はどういった地域なんでしょうか。
カレン州は、ミャンマーの東部地方にあり、隣国タイと国境を接しています。また、カレン州には、「カレン民族解放軍」(KNLA)という独自の軍隊があり、KNLAは昔から国軍と対立関係にあります。昨年2月の軍事クーデター発生から一年半の間に、国軍側と6000回以上の衝突が起きています。国軍は戦闘のたびにカレン州の村や町を焼き討ちにするため、住民らはタイに避難している状況です。
Q. NUG駐日代表事務所はどういった活動をされているんですか。
この間、私たちはミャンマー人の旅券(パスポート)をめぐる問題に取り組んできました。ミャンマー人たちは、パスポートの有効期限が切れると、ミャンマー国軍の影響下にある品川の駐日ミャンマー大使館に行かなくてはなりません。全員とは言いませんが、「軍政下の大使館には行きたくない」と思っているミャンマー人はたくさんいると思います。このように大使館でパスポートの更新手続きができないとなると、ミャンマー人たちは海外出張や海外旅行にすら行けなくなってしまいます。そうした事態を避けるため、私たちは出入国在留管理庁に対し、パスポートの期限が切れているミャンマー国籍者が入管の手続きにおいて不利益を被ることがないよう強く要請しています。私たちは今後も、できるだけ多くのミャンマー人に対し、入管の手続きなどについて、正確な情報を届ける必要があります。
Q. 最後になりますが、ミャンマーの民主派支援に消極的な日本政府に対し、駐日代表事務所としては今後何を求めていきますか。
まずは日本政府にNUGをミャンマーの正式な政府として承認してもらう必要があります。国軍は、今も毎日のようにミャンマー市民に暴力を振るっているし、国際社会からの反発があったにもかかわらず、7月下旬には民主活動家ら4人の死刑を執行しました。国軍は何の躊躇もなく市民を虐殺していますが、当然NUGには市民を虐殺するといったポリシーなど存在しません。私たちは引き続き、NUGを正当な政府として承認するよう日本の外務省に対し強く求めていくつもりです。
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NUG駐日代表のソーバラティン氏
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