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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2023年01月09日00時44分掲載
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国際
ついにアメリカの戦争に巻き込まれて 連戦連敗の米軍の実像直視を
今起きている台湾を核とした米中の戦雲に対して、安倍首相時代に制定した憲法違反の安保法制によって日本も参戦させられる可能性があります。しかし、この戦争の最大の特徴は米国がシナリオを書いた米国のための戦争に他ならないことです。にも、関わらず、日本は参戦させられる可能性があるばかりでなく、日本本土がアフガニスタンやイラクと同じ戦場になる可能性が高いものです。しかも、20年くらいまで長期化する可能性があります。
反米プロパガンダのように思われるかもしれませんが、過去の米国のいくつかの主要な戦争を見てみましょう。
・ベトナム戦争・・・最終的に米軍が撤退(敗戦) ・イラク戦争・・・・最終的に米軍が撤退 (敗戦) ・アフガニスタン戦争・・・最終的に米軍が撤退 (敗戦)
ここで敗戦と書いているのは現地の反米政権を倒したとしても、その後の反米レジスタンス勢力を一掃できず、治安回復もままならないまま、米国の都合で一方的に撤退していくことも「敗戦」という評価に加えています。中国を仮にミサイルで一撃にして共産党政権を打倒したとしても、レジスタンスが脈々と続く可能性があるでしょう。それとも政権が倒れたら中国の民衆は「待っていました」とばかり、米政府の統治下で民主化に取り組むのでしょうか?とてもそうは思えません。特に1840年代からの二度にわたるアヘン戦争とそれ以後の日本を含めた欧米列強による植民地化の屈辱の記憶を中国ほど大切に記憶している国はないと思われます。その彼らの愛国心を軽視すべきではないと私は思います。
このように、米国は10年、20年単位で派兵して戦場になった国や地域をめちゃくちゃにしてしまいますが、最終的には大統領が交代して現地の同盟国の政治家の思いなど無視して、一方的に米国の都合で撤退していきます。前にも書きましたが、米国では4年ごとに大統領選挙があり、一度始めた戦争でも政権が交代すれば、講和条約を結んで撤退します。TPPのような他国による貿易協定に関しても米国は一方的にパートナー国に持ちかけて、自己都合で勝手に抜けていきます。米中戦争が台湾をはさんで勃発したとしても、米国は同盟国の日本を置き去りにして撤退する可能性が皆無ではありません。アメリカファーストの大統領となれば、なおさらでしょう。そこに米国の予算や人命を賭ける必要がないと判断されると戦争は中止です。さらに米国にとって中国は最大の市場でもあり、経済界の太いパイプが生きています。したがって、台湾問題で交渉妥結となれば米国だけ撤退する可能性があります。米軍需産業にとっては台湾をめぐる中国との紛争よりも、日中戦争の方がビジネス的に醍醐味があります。
しかし、日本の場合は台湾での紛争を機に日中戦争に突入してしまうと、国連における第二次大戦中の敵国条項が残っており、日本の戦争勢力解体まで戦争は終わらなくなるでしょう。すなわち、10年どころか、20年でも30年でも戦争は続く可能性があります。日本人が真に考える必要があるのは、この戦争に突入してしまうと、負けてしまえば、日本の政体、昔風に言えば「国体」も永久に変革を余儀なくされる可能性があることです。それを避けるためには先方が白旗を掲げるか、何十年でも中国が講和条約をのんでくれるまで戦争を続けるしかなくなってしまうのです。つまり、相手に戦争中止の決定権を握られると考えた方がよいのです。前の戦争でも中国は持久戦を得意としていました。日本軍は都市をいくつか爆撃して制圧しても、物流が確保できず、線を結ぶことができませんでした。日本も国土が戦場になれば大量に負傷者や障碍者が生まれますから、その介護の人手も施設も医療費も莫大に必要になります。兵員にせよ、市民にせよ、高次脳機能障害となると、本当に介護は大変です。
これを考えれば、米国抜きで日本単独で中国と戦争する覚悟があるのか考える必要があります。「米国がなんとかしてくれるだろう」という米国=パパ的な発想は、敗戦後に「日本人の精神年齢は12歳」と言われた時の屈辱を今でも思い出させます。岸田政権を見る限り、米国の要求を丸呑みするだけで独自の思想は皆無であり、日本国家首脳陣の精神年齢が全然成長していないことを痛切に感じます。
また、それ以前に、日本国憲法が今も生きており、平和的解決を図る義務が記されていることを最優先する必要があります。ベトナム戦争でもイラク戦争でもアフガニスタンでも米軍が支援する現地国家が存在したわけですが、その領土がどんな状態になったのかを注目する必要があります。これに朝鮮戦争を加えてもよいでしょう。仮に、米国が中国と全面戦争になったとしても、イラク戦争やアフガニスタン戦争、ベトナム戦争以上に良い結果を得られる確率は何%あるのでしょうか?私はこれらの戦争以上にこっぴどく打撃を受けると思います。最後に残るのは核戦争のみでしょう。
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