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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2023年02月01日17時35分掲載
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アジア
「日本政府は対ミャンマー政策の再構築を!」クーデターから2年で市民団体が共同声明を政府に提出
国軍クーデターから2年になる2月1日、日本の政府開発援助(ODA)が国軍の資金源になっているとして「#ミャンマー国軍の資金源を断て」キャンペーンを行ってきたNGO5団体は、共同声明「日本政府は対ミャンマー政策の再構築を!」を政府に提出した。また民主派の国民統一政府(NUG)駐日代表事務所とミャンマーの民主化を支援する議員連盟の同日の院内集会で、駐日代表はNUGを正統な政府として承認するよう求めた。国連の人権問題報告者は前日、日本も国軍への制裁に加わるよう求めた。
共同声明は、同キャンペーンの構成団体であるメコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター(JVC)、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)と宗教者、大学教員、ジャーナリスト、弁護士、作家らが呼びかけ、約500名の団体・個人の賛同を得た。 声明によると、クーデター以降、同国では国軍や警察による民間人に対する暴力が継続し、多数の死傷者及び拘束者が発生している。国連の昨年12月初旬の報告によると、ミャンマーには推定147万3千人の国内避難民(IDP)がおり、そのうち、クーデター以降に新たに避難民となった人は114万3千人にも及ぶ。また、国軍の無差別砲撃や空爆により、子どもを含む多数の民間人が死傷している。弾圧に追い詰められ、武器を手にした若者も少なくなく、各地で武力衝突が発生し、事態は混迷を極めている。このような事態に陥った原因は、ミャンマー国軍が選挙で国民の圧倒的な支持により選ばれた政府を打倒したことにある。 日本政府はクーデター以降、ミャンマー国軍に対し、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を求めている。しかしこの2年間、日本政府の呼びかけは何ら効果を上げていない。それどころか、日本政府のミャンマーに対する働きかけには大きな矛盾がある。 国軍が選挙で選ばれた政府を倒した後も、日本政府は、二国間の約束に基づくはずの政府開発援助(ODA)を継続している。更に、2022年に経済開発担当の内閣官房内閣審議官がミャンマーを複数回訪問し、国軍の設置した国家統治評議会(SAC)の高官と面会もしている。そのうえ、会談内容は明らかにされていない。このような日本政府の対応は、国際法に違反し人権侵害を続ける国軍と日本政府の親密な結びつきを想起させ、ミャンマーの市民から批判を受けている。またSACとの経済的な関係を維持することは、平和、自由、平等、民主主義、人権、法治などの「普遍的な価値」を外交の柱に据えていると標榜する政府方針とも矛盾している。 これらの点を踏まえ、声明は以下の点を強く要請する。 1.ミャンマー国軍が暴力を停止し、恣意的に拘束した全ての人々を解放し、かつ、国民民主連盟(NLD)関係者や民主化を求める市民、少数民族武装勢力等も含めた対話の上で、民主化移行プロセスへの復帰を具体化するまで、ODAなどの政府による経済協力は一旦これを全て停止すべきである。 2. 国軍とその上層部は、軍系企業とその経済網から莫大な利益を得ていることが明らかとなっていることから、国軍や国軍系企業の関与するビジネスは日本の官民共にこれを停止すべきである。 3.ミャンマー国軍がクーデター以前から長期にわたり、民主主義を求める市民やビルマ民族以外の自治を求める民族、宗教マイノリティに対して、凄惨な暴力を行使し、その権力を維持してきたことをあらためて認識した上で、今後の対ミャンマー政策を再構築すべきである。 4.ミャンマーの市民の支持する国民統一政府(NUG)や少数民族地域の各グループ、また市民グループなど幅広いステークホルダーと対話し、生存を脅かされている避難民へ国境を越えた援助ができる体制を、日本政府が国際社会と共に築いていくことを強く求める。 いわゆる2011年の民政化は、軍事政権が制定した2008年憲法の下で、内務、国境、国防などの武装組織を指揮する省庁は国軍の支配下にあり、選挙によって選ばれた文民主導の政府との間で権力を分担する不十分な民主化でしかなかった。それにも関わらず、日本は官民共に経済的な支援を優先し、ミャンマーの真の民主化を求めてこなかった。それ以前の1990年代から、日本は官民でミャンマーの海上ガス田開発に関与し、当時の軍政に莫大な利益をもたらしてもいる。このことを私たちも含め深く反省する必要もある。その上で、ミャンマーの人々との新たな関係を築く努力を始める時である。
▽NUG駐日代表「NUGを正当政府に」 ミャンマージャポンによると、民主派の国民統一政府(NUG)駐日代表事務所とミャンマーの民主化を支援する議員連盟が、「ミャンマーに民主体制、平和と自由を取り戻す」をテーマとした院内集会を参議院議員会館で共催した。 超党派の国会議員で構成する「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」の中川正春会長は、人口の3分の1が飢餓に苦しみ、150万人を超える避難民と多数の死傷者が発生している現状に触れ、日本政府に対して国会で採択された軍事クーデターを非難する決議に則った外交政策を実施するよう改めて求めた。 NUGのソーバラテイン駐日代表は、日本政府に対し1日も早くNUGを正統な政府として承認すること及び8月に予定されている総選挙の実施を認めないよう求め、就労や留学目的で来日しているミャンマー人の多くがパスポートの期限を迎えている現状に触れ、ビザの更新について寛大な処置を要望した。 武井外務副大臣は、困窮者への支援について必要とする人に届くために安全で阻害されない人道アクセスができるよう、日本政府として具体的な人道支援の在り方を検討し、実施していくとの考えを明らかにした。 また時事通信電によると、ミャンマーの人権問題を調べる国連のアンドリュース特別報告者は1月31日に公表した報告書で、日本に対し、国軍関係者らに対する制裁網への参加や、軍関係者の即時国外追放を促した。 報告書は、ミャンマー国軍が設置した最高意思決定機関「国家統治評議会(SAC)」について「正統な政府ではなく、承認されるべきではない」と強調。国連加盟国に対し、承認につながる行動を慎み「SACを外交的に孤立させる」よう求めた。 日本や韓国など、ロシアのウクライナ侵攻で制裁を発動しながらミャンマー危機では制裁を見送っている国に対しては「直ちに制裁を科すよう勧告する」と訴えた。さらに日本に関し、防衛省が国軍からの留学生を受け入れている状況に言及。就学期間の終了を待たず、直ちに国外追放するよう要請した。また、政府開発援助(ODA)を含む全ての経済支援がSACの利益となっていないか、再調査するよう提言した。 ニューヨークの国連本部で会見したアンドルーズ氏は「ウクライナ危機で取られている協調的な戦略アプローチが、ミャンマーには欠けている」と指摘。国際社会が一致して行動することが重要だと語った。
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