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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2023年03月02日18時04分掲載
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欧州
「スーパーボーナス」の是非〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
最近の当地では、こんな名前の制度が問題になっている。これは、2020年第二次コンテ政権の際に成立した政令であり、コロナ禍により経済成長が見られない建設部門を援助するのが目的だった。環境エネルギー安全保障省が管轄しており、スーパーボーナスを利用できるのは個人、法人である。スーパーボーナスは、主に太陽光発電システムの設置や地震リスクを減らすための建物の改装費用などで得ることができる。2023年いっぱいは工事費用の110%が5回に分割して国から支払われ、2024年は工事費用の70%、2025年は65%が支払われる。
第二次コンテ政権の次のドラギ政権で、この法令は批判を受けたが、廃止されることはなかった。2022年6月には国庫のスーパーボーナス費用は605億ユーロになった。そして、現在1050億ユーロに膨れ上がった。現メローニ首相は、今年2月現在でスーパーボーナスの国庫費用は1050億ユーロになり、イタリア人一人につき約2000ユーロの負担となっていると。2000ユーロと言ったら、現在のイタリア人の一か月の平均収入が約1600ユーロなので、それよりも高い。私もこちらでパートの仕事をしたりしているが、半日のパート仕事が500ユーロから600ユーロなので、月2000ユーロ稼ぐのはよほど良い収入だと思う。
経済コンサルティング会社「ノミスマ」の分析によると、スーパーボーナスは貧しい市民から裕福な市民へ不当に資金が移動していて、スーパーボーナスを利用出来る階層は、かなりの高学歴、高収入の階層であり、起業家などとなっている。スーパーボーナスを利用するには、自己負担と立て替えが必要になり、工事の管理と工事が正しく行われるためには様々な専門職を雇う必要があるのも、富裕層にしか利用できない理由になっている。エネルギー効率やCO2排出量削減についても、「ノミスマ」はスーパーボーナスはとても残念な結果になるだろうと分析している。なぜならスーパーボーナスによって改装される建物は0.5%にもならないだろうからと。
一方、コンテ氏をリーダーとする「五つ星運動」は、イタリア人一人につき88ユーロの負担になっていると主張し、メローニ政権と対立している。また、このスーパーボーナスの導入により、90万人の雇用が増えたとも主張している。
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