連日都内の最高気温が更新され、熱中症警戒アラートが発出されるなど、地球温暖化が著しい。日本の各所に災害級の大雨が降り、これにより道路が冠水するような事態が頻発している。気候変動により発生する諸問題は、遠い未来の話ではなく、今現在の私たちが直面している目の前の課題であるといえるだろう。
気候変動問題を先送りすることなく、その解決に取り組む「Fridays For Future Japan」(FFFJ)という若者団体があるのをご存知だろうか。“Fridays For Future(未来のための金曜日)”とは、2018年にスウェーデンで始まった運動で、当時高校生であったグレタ・トゥーンベリ氏が、気候変動問題に取り組むことの重要性を国会前で訴え掛けたことがきっかけで、世界的に広まったものである。日本で活動しているFFFJのメンバーは30歳以下の若者が主で、将来を担う世代が“我がこと”として、この問題に向き合っている。
8月某日、FFFJの内、主に東京近郊で活動している「Fridays For Future Tokyo」(FFFT)のメンバー田原優美(21)さんと、二本木葦智(17)さんに気候変動問題に関する活動に取り組む上での思いなどを尋ねた(以下、敬称略)。
――FFFJは、どのような団体なのでしょうか。 二本木: 気候変動問題に取り組む全国の若者主体の団体です。札幌、仙台、東京、名古屋、京都、福岡など、各地方が主体となって活動しています。年に一度開催されるCOPの際には、メンバーを派遣して現地での訴え掛けなどもしています。
――気候変動問題の解決に向けた取組を始めたきっかけは何ですか。 田原: 友人がFFFTの活動に参加をしていたため、その友人の話を聞く中で、気候変動問題に関する自分の加害性に気付いたことが、取組を始める一番大きなきっかけになりました。元々、社会運動に興味を持っていたこともあり、大学2年生の時にFFFTの活動を始めました。
二本木: 環境問題に興味を持つきっかけとなったのは、やはり2018年のグレタ氏のアクションです。さらに中学3年生で受けた授業の際に、改めて気候変動問題の深刻さを知り、高校に進学した後、知人がFFFTに参加していたということもあり、私もFFFTの活動に加わるようになりました。
――気候変動問題に取り組むにあたって、どのようなことを訴え掛けていきたいですか。 田原: 気候正義については、しっかりと訴え掛けていきたいと思っています。二酸化炭素を多く出しているのは都会の人なのに、その影響を強く受けるのは環境リスクの高い地域に住んでいる人たちです。そのような現状をしっかりと伝えていきたいと思います。
二本木: 先進国に住んでいるだけで、途上国に加害をしてしまう現状があるということを伝えていきたいです。日本国内にも貧困問題はあるものの、食べる物に困るというほどの状況に至ることはあまりなく、電気もたくさん使っています。このような私たちの日々の生活により生じる気候変動の影響を真っ先に受けるのは、対策がされていない環境で生活している人たちです。日本で生きているだけで、途上国の人々に加害してしまうということを多くの人に知ってもらい、社会のシステムチェンジに繋げられたらと思っています。
――どのような方々に向けて訴え掛けていきたいですか。 田原: 気候変動の影響を長期間に渡って受けるのは、選挙権がなく、社会に影響を与える手段が限られる学生などの若い世代です。このような世代に対して、私たちの活動を通じて、声を上げる手段があるということを伝えていきたいと思っています。
――現在取り組まれているアクションについて教えて下さい。 田原: 毎月第二金曜日に新宿で街頭アクションを行って、往来する人々に気候変動問題に関心を持って貰えるように働き掛けています。また、9月18日には「ワタシのミライ」、「さようなら原発1000万人アクション」の皆さんと一緒に、新宿の代々木公園で大規模な集会とパレードの開催を予定しています。今回のパレードは“公正な社会の実現を”と題して、気候変動、原発、移民・難民、LGBTQの皆さんに関する事柄などを幅広く扱うつもりでいます。大規模な取り組みになるため、FFFTのアクションチームで連携して、かなり力を入れて取り組んでいます。この活動に参加してもらうことで、気候変動問題が様々な問題に関わっているということを、改めて知ってもらうきっかけにしたいです。
――ありがとうございました。
〇 Fridays. For Future Japanhoホームページhttps://fridaysforfuture.jp/
〇 ワタシのミライ ホームページhttps://watashinomirai.org/
〇 さようなら原発1000万人アクションhttp://sayonara-nukes.org/
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