ウクライナの国防大臣が国防省の腐敗の責任を取らされて更迭された。もともとわいろが伴う腐敗した政治風土だったとされるが、ロシアとの戦争の1年目では支援国も目をつぶっていた。しかし、2年目に入り、ついに米議員たちが文句をつけ始め、ウクライナ国防省が腐敗しているなら、もう米国からの支援を減らせ、という議論を始めた。このことが即、ウクライナの国防大臣の更迭につながったらしい。これはニューヨークタイムズの報道‘Where Is the Money?’ Military Graft Becomes a Headache for Ukraine(「金はどこへ?」軍の腐敗がウクライナの頭痛)である。
https://www.nytimes.com/2023/09/04/world/europe/ukraine-military-spending-corruption.html?fbclid=IwAR3d96Tm-92B7t0F8SkY0fyUUJneJYgA84SO_felJD2ZzLpwwm2ihrKXXr0 <Just last week, the United States’s national security adviser, Jake Sullivan, met with three high-ranking Ukrainian officials to discuss efforts to stamp out wartime corruption. It comes as some lawmakers in the United States have used graft as an argument for limiting military aid to Ukraine.>
ここで日本人にとって、この知らせは何を意味するか、ということなのだ。日本政府は多額の税金をウクライナに支援金として支出しているはずだ。国内の貧困は目をつぶってでも、外国にいくらでも金をまばらくのが趣味※の岸田首相である。では、日本政府はこの情報を握っていなかったのか?握っていなかったとすればインテリジェンス能力は不在と言って間違いない。それは日中戦争どころではないレベルだ。
一方、もし情報を持ちながら、ウクライナ政府に日本政府として何も申していなかったなら、日本国民の税金を無駄に使って何も検証していないことを絵に描いたようである。内閣だけでなく、国会議員の問題でもあろう。ウクライナ国防省では様々な予算使用の際に資金がどこかへ消えているようである。中には、徴兵担当者がわいろをもらって、希望者には徴兵免除をしてさえいるそうだ。その意味でも、国会では予算の使い道を国勢調査する権限が議員に与えられているのだから、安倍政権から岸田政権まで莫大な海外へのばらまきが何に使われて、どう具体的に役立ったのか?腐敗はなかったのかを1つ1つ確認する作業が必要であり、国会議員の高額の給与は、国民に代わってそうした地道な作業をやるための支出なのである。今回のウクライナ政府に対する支援国による腐敗撤廃への圧力というのも、他の先進国ではそこまで税金の支出に関する責任が問われる政治文化だからであろう。
※岸田首相、ウクライナに500万ドルの緊急援助を表明=官房長官
https://jp.reuters.com/article/kishida-ukraine-idJPKBN2XV0FK 「 松野博一官房長官は9日午後の記者会見で、岸田文雄首相が同日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、カホフカダムの決壊によって被害を受けた住民に対する500万ドル規模の緊急人道支援の実施を表明したと明らかにした。」 この金が本当に人道支援に回されるのだろうか?
※岸田首相 ウクライナに100台規模の車両を提供へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230521/k10014074211000.html 「岸田総理大臣は、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、日本からの追加の支援として、自衛隊が持つトラックなど100台規模の車両を提供することなどを伝え、今後、一層、緊密に連携していくことを確認しました。」
※岸田首相とゼレンスキー氏会談、「揺るぎない連帯」を表明…装備品支援で40億円拠出
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230322-OYT1T50093/ 「大統領府で行われた会談で、首相は追加支援策として、殺傷能力のない装備品支援に3000万ドル(約40億円)を拠出するほか、エネルギー分野などで4・7億ドル(約600億円)の支援を行う考えを明らかにした。装備品支援は北大西洋条約機構(NATO)の信託基金を通じ、防弾チョッキや衣類の提供を想定している。」
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