フランス・パレスチナ連帯協会(AFPS)は、フランスの内務大臣がマリアム・アブダカ氏に出した退去命令に対して、これ以上なく強い抗議をしています。マリアム・アブダカ氏は偉大なパレスチナ人の女性で、その取り組みは広く知られ、尊敬されています。 ガザ地区の困難な環境の中で、アブダカ氏は女性の権利を求めてたゆまぬ闘いを続けてきましたが、同時に、パレスチナ人の政治犯に対する揺るぎない支援者でもあります。
彼女は現在、フェミニスト団体「Palestinian Development Women Studies Association(パレスチナ開発女性研究協会)」の理事長を務めています。マルセイユの団体や私どもAFPSを含むいくつかの協会の招待で初めてフランスを訪れ、15以上の都市を訪問する予定でした。 彼女はこの訪問のための有効なビザを取得していました。 アブダカ氏の協会の関係を通した政治的な取り組みは公共的なものです。ところが、アブダカ氏の講演旅行が始まって以来、彼女の講演は県側からいくつかの脅迫や禁止措置の対象となっています。 マルセイユですら、最終的に彼女の講演場所は教会のホールへと移されたのです。とはいえ、そこで彼女は非常に温かい歓迎を受けました。
マリアム・アブダカ氏とその家族はガザに住んでいます。 彼女はイスラエルの爆撃で家族27人を失ったばかりです。 彼女は、ガザ地区から届いた情報に非常に動揺しながらも、見事な勇気をもって講演旅行を続けていました。彼女を黙らせようとするフランスの内務大臣は、政治的ミスを犯しているだけではありません。非人道的な行為を犯しているのです。これはフランスの恥です。
彼女は次の目的地であるトゥールーズ行きの電車に乗ろうとしていた時、マルセイユ駅で逮捕されました。 彼女は現在、監視つきでフランスで自宅(室内)軟禁中です。パレスチナの人々とその権利を擁護する人々の声を沈黙させようとこれまでフランス政府の取って来た措置の長いリストに追加された、この不公平な決定に対して異議を申し立てる訴願が行われる予定です。
https://www.france-palestine.org/Un-scandaleux-arrete-d-expulsion-du-ministre-de-l-Interieur-contre-une-grande AFPS全国事務局、10月16日、2023年
(村上)フランス内務大臣は、マルセイユでパレスチナへの連帯デモを禁止する措置を取りました。こうしたデモ禁止令に対して言論の自由の視点から批判が出ています。アブダカ氏の追放令もその1つでしょう。
●ルモンド紙は、この逮捕につき、記事を出しています。
https://www.lemonde.fr/societe/article/2023/10/16/a-marseille-une-militante-palestinienne-de-72-ans-en-voie-d-expulsion_6194809_3224.html アブダカ氏がPFLPという組織のメンバーとされ、このPFLPが欧州連合がテロとの戦いのために認定したリストに掲載されていることが、フランスの内務大臣が講演旅行を緊急中止させる理由となったと報じられています。8月7日にフランス当局から彼女に出されたビザは11月24日まで50日間の有効期間がありました。講演旅行はパリ、リヨン、サンテチエンヌ、メッツ、マルティゲ、そしてマルセイユまで続けられていたとされます。このマルセイユで県知事による集会を妨げる措置が出されました。その後、10月16日にマルセイユで内務大臣ジェラール・ダルマナンによる旅行禁止と国外退去を命じる通達を受け取ったとされます。このマルセイユにおける妨害措置の背景には極右政党RN(国民連合)議員による県知事への彼女の講演禁止を求める要求があったとされます。マルセイユでの講演題目は「オスロ合意から30年、私たちはどこへ行くのか?」というものでした。
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