大阪・関西万博へのイスラエル参加不承認を求める署名活動がオンライン署名サイト「change.org」上で取り組まれている。この署名を呼びかけているのは、関西でパレスチナ連帯活動などを行う「関西ガザ緊急アクション」。同グループは今年6月、万博協会事務所前で、イスラエルの万博参加に抗議するアクションを展開している。オンライン署名の第一次締切は、8月4日までだ。
オンライン署名の詳細は以下を参照。(署名サイトHPより)
https://chng.it/m2tfK4s4kg
日本政府および大阪・関西万博協会は、イスラエルに参加を要請するな!
私たち「関西ガザ緊急アクション」は、6月6日協会事務所に対して、日本政府がイスラエルに万博への参加を要請したことに、異議申し立てを行うべく以下の文書を提出いたしました。
しかしもとより回答なく、そのため私たちはあらたにオンライン署名により広く国内世論に訴え、集まった声をもって再度「イスラエルの参加不承認」を求めるべく行動したいと思います。
ぜひ、この要請署名に協力をお願いします。
【署名締め切りについて】 8月4日(日)23時締切りとして、第一次集約とさせていただきます。
外務大臣 上川陽子 様 日本国際博覧会協会会長 十倉雅和 様
3月29日、イスラエル政府は、2025年大阪・関西万博(以下万博)に「タイプC」方式で参加することを表明しました。
これに対し、4月2日の記者会見で自見万博担当大臣は、「ガザ地区におけるイスラエルの行動は、ハマスなどによるテロ攻撃を直接のきっかけとするもので、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と、同列に扱うことは適当ではない」として、万博へのイスラエルの参加を容認する立場を示しました。
それどころか、イスラエル政府の発表では、2月28日にイスラエル訪問中の辻外務副大臣がカッツ外相を表敬した際、万博への参加を要請したということです。
私たちは、パレスチナにおける人道状況を深く憂慮する関西市民として、この動きに対して強く異議申し立てを行うものです。イスラエルの万博参加容認は、この間、イスラエルが国際司法裁判所の暫定措置命令を無視してガザ地区で続けているジェノサイドによる甚大な被害を考えれば、全く理解しがたい人権無視の外交姿勢です。
「あらゆる分野においてイスラエルを完全に孤立させるため同国との取り決めを個別的・集団的に即時中止する」ことを要請する国連総会決議ES-9/1(1982年)に違反するだけでなく、イスラエルのジェノサイドを容認するダブルスタンダードの姿勢を国際社会に晒すものであり、日本の市民として私たちは到底受け入れることができません。
イスラエル・カッツ外相は、「殺人テロ組織と正義の戦いを戦っている今、イスラエル国家にとって、日本で開催されるこの重要なイベントに参加することは非常に重要である」と述べ、万博への参加で今のイスラエルの国際社会の地位を高めることができるとの判断を示しています。
5月24日、国際司法裁判所(ICJ)はイスラエルに対し、ラファに対する攻撃停止命令を出しましたが、イスラエルは命令受入れを拒否し、26日にはラファの難民キャンプに対する空爆により45名以上の避難民を殺害する行為にまで及んでいます。このような犯罪行為を継続するために万博参加が有用だとイスラエル大使は述べているのです。
日本政府はICJの暫定措置命令について「当事国を法的に拘束するものであり、誠実に履行されるべきもの」だと自ら述べています。日本は、ICJ命令および国際人道法・国際人権法の尊重を確保し、イスラエルのガザ攻撃を停止させるための政治・外交的努力を行う義務を有しています。イスラエルの万博参加容認は、この義務に真っ向から反するものです。
日本政府が昨年来、イスラエルのガザ攻撃について、「確定的な法的評価を行うことは差し控える」との立場から、イスラエルに対する制裁的な措置について二の足を踏んでいる状況は、パレスチナの現地情勢およびイスラエルの軍事行動に対する国際的評価の変化について判断を完全に誤っていると言わざるを得ません。
4月5日には国連人権理事会がイスラエルに対する武器禁輸を決議し、5月20日には国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相、ハマス幹部らに対する逮捕状を請求しました。
EUではベルギー首相の呼びかけにより、イスラエル入植地製品の禁輸に向けた議論が進んでいます。米バイデン政権でさえ、対イスラエル武器供与の一部停止や急進派入植者の入国禁止措置を取っています。
ICJが1月26日に出した、ジェノサイドを予防するためにあらゆる措置を取るべきだという暫定措置命令についても正しく思い起こす必要があります。
万博へのイスラエル参加を承認しないことは、命令を無視して暴走し続けるイスラエルに対して一刻も早い軍事行動の停止を求める国際社会の明確なメッセージを伝えるために不可欠なことです。
そうしないことは、逆のメッセージを発するということであり、日本政府と万博協会がジェノサイド予防を求めるICJ命令に背くことを意味するのです。
6月3日、長崎市の鈴木市長は、「ガザ地区における危機的な人道状況やそれに対する国際世論の状況」を踏まえ、8月9日の平和式典への招待状をロシアと同様にイスラエルに対しても送付しない方針を明らかにしました。この間の状況を冷静に判断するならば、万博へのイスラエル参加についても、同様の判断を行う以外の選択肢はあり得ません。
強まりつつある国際的な圧力に対し、イスラエルでは極右勢力がますます発言力を強めており、ネタニヤフ首相は政権をコントロールする力を失いつつあります。
こうした状況を踏まえ、日本政府および万博協会は、イスラエルの万博参加容認の姿勢を早急に再検討し、参加不承認への政策転換を行うことを強く要請します。
ICCがイスラエル首脳への逮捕状を発行し、ICJがイスラエルの軍事行動をジェノサイドだと認めてから、イスラエルに対する制裁的措置を取るのでは手遅れです。日本政府および万博協会は、すでに失効しつつある「イスラエルへの不処罰の伝統」という欧米中心主義的な外交の歪みを是正し、国際法の尊重の確保およびジェノサイド予防の観点から正しい判断をされることを切に要望します。
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