気候変動に関するあらゆる機会で、「CO2=悪」と唱えられ、「CO2を減らさなければ、人類に大変危機な気候変動をもたらすぞ」と驚かされている。そして、そのためには、化石燃料(特に石炭)を燃やして作る発電施設を縮小せよ、自動車は、ガソリン車でなく、電気自動車にせよ、農業も温室効果ガスを出すやつは縮小せよ、温室効果ガスであるメタンを出す牛などの家畜も少なくせよ、いやメタンを出さないような薬を与えよ、などなど。その上、火力発電から出る炭酸ガス(CO2)をためて、地下に埋め込んでおこうと。こうした傾向は、特に西欧諸国に顕著なようである。その結果、人々は、CO2は本当に悪いやつなんだ、なんとか減らさなければと思い込まされてしまっている。 実は、この論(CO2は温暖化の原因=悪)は、科学的には根拠はなく、政治的に利用されているに過ぎない。このことに関しては、過去に何度も本欄で説明しました(註1)が、いまだに、この間違った信仰から根け出すことができていない人々が多いようである。 CO2が地球上の生命にとって必要不可欠な物質であることは、何度か説明した(注1)が、その基本は、CO2と水(H2O)から植物が太陽光のエネルギーを使って炭水化物を作る(光合成と言われる)ことであり、植物とか、光合成ができるある種の菌類以外の生き物は、炭水化物を作れない。炭水化物の基本は、ブドウ糖で科学的には、C6H12O6(化学的にはC6H12O6と表現)と記される。6個のCO2と6個のH2OからC6H12O6と6O2ができる。これは、化学など知らなくとも、C、H、Oの数をかぞえてみればわかる(やってみてください)。この化合物から、アミノ酸、そしてタンパク質その他の化合物などが、植物でも、動物でも作ることができる。もちろんできないものもある。光合成では、あらゆる生物の必要とする炭水化物ともう一つ、我々の命に不可欠の酸素(O2)を作ってくれるのです。 このように生命にとって不可欠のCO2を減らせ、そしてNetZeroとか脱炭素を実現しなければ、人類に大変な危機をもたらすぞというのが、多くの人が信じこまされたことである。その理由は、CO2は悪玉で、それが増えると地球を温暖化し、人間が住めないぐらいの気候変動が起こるぞというものですね。みなさん、どう思いますか?本当に、こんなこと信じて、実現すべきなのでしょうか? 上で、CO2は実は生命には不可欠だと申し上げたが、それならば、CO2はむしろ増えた方が良いのでは、となるでしょう。実は、1980年ぐらいから植物の生産量が20-30%ほど増えてきているという調査結果があちこちで発表されています(註2)。この論文では、1982年から2013年までのsatelliteのデータを地球全体の図にしたものを作っていて、多くの場所で、緑(植物の色)が増加している様がみられます。すなわち、CO2は悪玉どころか、善玉なのです。
(註1)http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201910150820372; http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202208221011251; http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202309071356404; http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202401181048324; http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202404181002154;
(註2)https://co2coalition.org/wp-content/uploads/2024/04/Nutritive-Value-of-Plants-Growing-in-Enhanced-CO2-Concentrations-2024-04-22.pdf など
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