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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年11月02日07時00分掲載
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米国でSUV人気が急落、燃費の悪さで大型車離れが加速
米国で大型スポーツ用多目的車(SUV)の売り上げが急速に落ちている。最近の石油価格の高騰で燃料費がはね上がったため、ユーザーの関心が、排気量の大きいSUVから燃費の優れた一回り車体が小さいCUVなどに移っているためだ。SUVの販売ディーラーの中には、売り上げの低下は一時的なものだとの強気も見方もあるが、大型SUV崇拝の時代は終焉を迎えつつあるとの声も出ている。(ベリタ通信=有馬洋行)
米国では、8月末に大型ハリケーン「カトリーナ」や「リタ」が相次いで南部を襲い、メキシコ湾岸の精油施設が操業を停止した。この影響で、ガソリンなどの価格がさらに上昇。ガソリン価格は1ガロン(約3・8リットル)=3ドル(約330円)前後と、ハリケーン襲来前に比べ2割近く値上がりしている。このため大型のSUVやミニバンを持つユーザーの間で燃料費が大変だと、大型車を手放す傾向が強まっている。
米紙サンディエゴ・ユニオントリビューンによると、9月のSUV新車販売台数は前月比で3割も落ち込んだ。SUVの中古車市場も不振で、9月の中古車販売価格は10%以上も下落した。この下落幅は、過去10年間で最大のものという。インターネット上でのオンラインSUV検索も、8月に比べ25%減となっている。
▽ユーザーの変化に対応できず
SUV売れ行き不振の影響を受けたのが、米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード。「サバーバン」などのSUVを持つGMは7−9月期決算で16億ドルの損失を記録。フォードも主力の「エクスプローラー」などが不振で、2億8400万ドルの損失を計上した。両社では、日本車のハイブリッドカーが好調なため、省燃費の車種を生産し、07年までには何とか経営の建て直しを図りたい考えだ。
米メリーランド大学のピーター・モリシ教授は「市場が変化しつつあるのを感じる。米国人のSUVへの熱情が冷めている」と分析するとともに、「米国の大型自動車メーカーは、ユーザーの変化をすばやく対応する準備を怠った。まったくの失敗だ」と指摘する。
SUVは1990年代は販売台数の6%程度を占めていた。その後、車内の広さやパワーの大きさに魅了される米国人が増え、2000年には20%にまで急増した。しかし、最近の石油価格の値上がりで燃費の悪い大型車離れが、急速に進行した。
この影響でSUV販売ディーラーは、タブついた在庫を整理するため、特別割引を実施する一方、新車のSUVやトラックを購入した者には、500ドルのガソリン交換券を贈呈するなど、必死の売り込みを図っている。
SUVの新車販売の不振で中古車市場も振るわない。ある中古車ディーラーは「SUVの価格は下がり続けている。ユーザーの気持ちが急速に変化している」と話す。
これに対し、SUVより車体が小さいCUVの売り上げが伸びている。9月の売り上げは前月比2%の伸び。トヨタの「Rav4」やフォードの「フリースタイル」などが売れている。CUVはSUVに比べ燃費が良いため、販売台数は、ここ数年二ケタの伸びを記録している。
全米自動車ディーラー連合の上級エコノミスト、ポール・テーラー氏は、来年中にCUVの販売台数がSUVを追い抜くだろうと予想している。
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