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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年02月05日18時31分掲載
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消える米国製ウィンチェスター銃 ベルギーなどで海外生産へ
かつて米国で一世を風靡した西部劇スター、ジョン・ウェイン(1907〜79年)が、映画の中でしばしば使用したのが連発銃ウィンチェスター。米国の西部開拓時代を象徴するライフル銃だが、その銃を140年間にわたり製造していた米コネチカット州ニューヘーブンにある工場が、売れ行きの低下などを理由に、3月末に閉鎖されることになった。ウィンチェスター銃の商標名は残るものの、今後は「メイド・イン・USA」の銃はなくなり、ベルギーやポルトガル、日本といった外国製のものになるという。(ベリタ通信=江口惇)
ウィンチェスター銃は、米国人O・F・ウィンチェスター(1810〜80)が製造した銃器の商標で、連発銃の「モデル73」ライフルは西部開拓時代に広く使用されたことで知られる。
米紙ロサンゼルス・タイムズなどによると、米ユタ州にある製造会社USリピーティング・アームズ(USRAC)は今月、ニューヘーブンにあるウィンチェスター銃の工場閉鎖を発表。従業員186人は解雇されることになった。
同工場は1866年に製造を始めた。年間30万丁の製造能力を持ち、19世紀の西部開拓時代に普及した。その後、1940年代に生産の最盛期を迎え、第二次大戦中にライフル銃が米軍に幅広く使用された。当時の工場では1万5000人の従業員がいたという。
ウィンチェスター銃のうち、「モデル70」ライフルは、70年の歴史を持ち、軍の狙撃兵や、警察の特殊攻撃隊(SWAT)らの間で、今でも根強い人気がある。まや「モデル94」ライフルは、ハリウッド映画でしばしば登場し、60年代のTVヒットシリーズの「ライフルマン」(主演チャック・コナーズ)に使われた。
銃規制反対の有力ロビー団体「全米ライフル協会」(NRA)の会長だったハリウッド俳優チャールトン・ヘストン氏が2003年のNRA大会の席上、演壇で右手で高く掲げたライフル銃も、ウィンチェスター銃だ。
ニューヘーブンの工場閉鎖で、両モデルとも、生産は中止される見通し。閉鎖の理由は、ベルギーにある親会社からの命令。USRAC広報担当は、「これまで10年間、工場が利益を出せるよう、必死でやってきたが、(親会社から)“始末せよ”と命じられた」
同工場では、2005年の生産数が、製造能力の約4分の1に当たる8万丁にとどまっており、親会社も遂に閉鎖を命じた。今後は海外での生産になる。
米ロードアイランド州プロビデンスの銃の歴史家ウィリアム・ゴッダード氏は、「狩猟や射撃などを行なう米国民は、多くが保守的であり、米国製のものに敬意を抱いている」と指摘。工場閉鎖によって、銃が海外で生産されれば、米国の銃の愛好家のウィチェスター銃離れが進む可能性がある、と述べている。
ニューヘーブン市当局では、米国の象徴ともいうべき銃製造工場の存続のため、長年にわたって税の減免措置や、補助金などによって支援してきただけに無念さを隠せない。ジョン・デステファノ市長は、経済のグローバル化で、コストの高い米国製が競争力を失ったことを指摘している。
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