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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年04月09日15時18分掲載
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日中・広報文化交流最前線
中国の大学生たちとの対話を楽しむ(1) 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
●対話の相手は総計約3千人に
中国人に日本を紹介し、日本政府の政策を説明するのは、筆者にとり重要な仕事でありかつ大きな楽しみでもある。最近の半年(2005年10月〜06年3月)では、筆者は総計約三千人の中国人に対して、会合等の場で話をした。(「 」は話のテーマ。特記無いものは「日本の社会、文化、習慣」。短い挨拶の時でも、当方からのメッセージを明確に出すようにしている。話の長短に関わらず下記に列挙してみた。)
─10月11日 内陸部の大学の日本語専攻学生200名 ─10月16日 北京日本学研究センターで、日本語・日本文化教師200名に、「教育分野での日本の対中ODA」。 ─11月5日 北京市内の様々な大学の日本語専攻学生300名に「日中経済関係」 ─11月10日 沿海部の大学の日本語専攻学生200名 ─11月13日 中日友好協会で、訪日する中国の教育関係者15名に、「教育制度を含めた日本の社会」。 ─11月15日 北京市内(中日青年交流センター)で、訪日する中国青年80名。 ─11月24日 人民大学の様々な学部の学生120名。 ─12月6日 北京市内の大学の日本語専攻学生300名。 ─12月21日 北京大学で日本語を第二外国語として履修している学生60名。
─2006年1月12日 河南大学で日本語を専攻で学んでいる学生及び教職員80名。 ─2月17日 中日関係史学会会員100名に対して「中国における日本研究活動における日中協力」 ─2月21日 北京語言大学で、ユネスコ他主催の「母国語の日」にちなんだ国際シンポジウムにおいて、教育関係者100名に「日本の対中文化・教育ODA」。 ─2月28日 天津外国語大学で2回の講演。一回目は200人、二回目は500人。 ─3月13日 山東大学で90名の学生。 ─3月17日 四川大学で20名の学生。 ─3月18日 成都市主催の投資会議で500名の経済関係者「日中経済関係、ODAと日本の対中投資」 ─3月21日 中華日本学会会員60名に対して「中国における日本研究活動における日中協力」 ─3月23日 各地の大学の日本語学部長クラス35名を北京市(中日青年交流センター)に集めて「教育分野の日本の対中協力」 ─3月24日 北京日本学研究センターの学生22名に「日本人のコミュニケーションの特徴」 ─3月28日 北京、天津の大学の日本語教師100名を北京市(中日青年交流センター)に集めて「教育分野の日本の対中協力」 ─3月30日 「模擬国連」に参加する日本、中国、欧米の大学生20名に「アジアの地域協力、日中関係」
諸般の事情が許す限り、もっと沢山の大学、会合に顔を出したいと思っている。
●講演で何を伝えるか?
筆者からは、以下のメッセージを中国人に伝えたいと思っている。 (1)ODA、貿易、投資、留学交流等のデータを紹介し、日中の関係が極めて緊密であること、このための先人達の努力を説明。 (2)日本と中国とで様々な文化、社会、体制の違いがあるので、決めつけ、先入観無しで、お互いを虚心坦懐によく勉強すべきこと。問題があればそれを局限化するように努めるべきであり、他分野にまで広げるべきではない。 (3)現代日本の理解のためには、まずは明治維新と戦後改革の二大改革の詳細・正確な理解が大前提であること。今の日本はもはや軍国主義ではないし、戦後の様々な貢献が国際社会から高く評価されていること。紙幣の顔である福沢諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石、樋口一葉を紹介し、彼らの近代化への貢献や問題意識を説明。 (4)中国でベストセラーになっている『菊と刀』『武士道』だけでは現代の日本は理解できないこと。 (5)「もったいない」「思いやり」「二股をかけない」「約束を守る」「一期一会」「ただより高いものは無い」という日本語の表現を紹介し、日本人の思考・行動様式を説明。 (6)資源保護、環境保護、社会的弱者への配慮、老齢化、自由貿易協定、国際的な労働移動、グローバライゼーションへの対応といった国際的な課題についての説明と、日中も協力すべきこと。 (7)大学生はしっかり勉強して、特にコミュニケーション能力を修得すべきこと。外国語能力、自分の考えを説明できる論理力、相手を理解できる想像力、そして利害の一致を見い出せる能力等。
●中国人青年との対話、交流の機会を増やしたい
中国側(大学、中国教育部等)も、このような対話、交流を大歓迎し、支援してくれる。日本大使館員で手分けをして講演するが、更に、中国を訪問される日本の文化、教育、マスコミ関係者にも、大学等での講演会をお願いしており、日本大使館でもアレンジのお手伝いなどをしている。 中国人学生達からどのような反応があるかは次号で紹介したい。(つづく)
(本稿中の意見は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の意見を代表するものではない。)
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転載について
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2006年2月に天津外国語学院で行われた筆者の講演会。右から2番目が筆者。
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