・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・アジア
・農と食
・人権/反差別/司法
・国際
・イスラエル/パレスチナ
・入管
・地域
・文化
・欧州
・市民活動
・検証・メディア
・核・原子力
・環境
・難民
・中東
提携・契約メディア
・AIニュース


・司法
・マニラ新聞

・TUP速報



・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus

・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2025年04月01日
・2025年03月31日
・2025年03月30日
・2025年03月29日
・2025年03月28日
・2025年03月27日
・2025年03月26日
・2025年03月23日
・2025年03月22日
・2025年03月21日
|
|
2008年06月09日20時55分掲載
無料記事
印刷用
ブラジル農業にかけた一日本人の戦い
<2>キッカケは、英語教師に叱られたこと 和田秀子(フリーライター)
横田さんの人生は波乱に富んでいる。 そもそも、今から48年前、18歳だった横田さんを、単身ブラジルに向かわせたものは何だったのか―。 横田さんに素朴な疑問をぶつけてみると、よく日焼けした顔を笑顔でくしゃくしゃにして答えてくれた。 「<横田!おまえは英語ができんくせに、勉強もせんで、どうしようもないやつだな!>と、いつも私は、英語の先生に叱られとったんですよ」
横田さんは「敵国だったアメリカの言語は学びたくない」という反発の気持ちから、英語の授業はいつも、図書館で借りてきた本をこっそりと机の下に広げ、授業はそっちのけで読みふけっていたのだという。 当然、英語の教師からは、目をつけられることになる。 ある日、ちょうど横田さんの後に座っていた生徒が、英語の授業中に私語をしていたところ、「こらっ横田、うるさいぞ!その態度はなんだ!」と言って、英語の教師は、突然、横田さんをぶん殴ったのだ。
私語をしていた張本人の生徒が、慌てて「先生、私語をしていたのは僕です。横田君ではありません」と名乗り出たが、英語の教師は一切取り合わず、一方的に横田さんを叱り続けたのだという。 「ちくしょう!英語ができんだけで、こんな濡れ衣を着せられるのか!だったら、英語なんか関係のない国に行ってやる!」 これが、横田さんをブラジルへ向かわせることになった動機であった。
「そんな些細なことで?」と思われるかもしれないが、血気盛んで負けん気の強い18歳の少年にとっては、十分な理由だったのだ。“コチア青年募集”という広告記事を見つけた横田さんは、そこに書かれていた『行け!ブラジルの新天地!』という謳い文句に、即座に反応する。 「これだ!ブラジルなら英語は関係ない。ブラジルで大農場主になって、英語の先生を見返してやるぞ!」 18歳の横田さんは、そう考えた。
コチア青年に選抜されるためには、倍率の高い試験に合格する必要があった。ブラジルでの過酷な農作業に耐えうる“体力”や“気力”が審査されるのである。 横田さんは、当時、身長156センチ、体重46キロというひ弱な体格であったが、気力だけは人一倍持ち合わせていた。 「絶対に、あの英語の先生を見返すんだ!」という気持ちで、60キロもある麻袋を持ち上げて体を鍛え、体力試験にパス。応募者約120人のうち、移住の許可が下りるのは約半数であったが、見事その一人に選ばれ、ブラジル移住が決まったのだという。
「先生、10年間だけ元気で生きとってください。10年たったら、俺は必ず成功して帰ってきますから」 そう英語の教師に言い残して、横田さんは、移民船「あるぜんちな丸」でブラジルへと渡る。横浜港からブラジルのサントス港まで、約40日におよぶ船旅であった。 (つづく)
◇参考文献 田尻鉄也『ブラジル社会の歴史物語』(毎日新聞社/平成 11年10月15日発行)
青木公『ブラジルの大豆攻防史』(国際協力出版会/2002年 5月30日発行)
青木公『甦る大地セラード』(国際協力出版会/1995年7月 10日発行)
鈴木孝憲『ブラジルの挑戦』(ジェトロ(日本貿易振興会)/ 2002年3月22日発行)
『ブラジルの歴史』(ブラジル高校歴史教科書)(明石書店/ 2003年1月31日発行)
内山勝男『蒼氓の92年』(東京新聞出版局/2001年1月30日発行)
外山脩『百年の水流』(トッパン・プレス印刷出版有限会社/ 2006年8月 )
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
セラードに広がる大豆畑。





|